【日本居酒屋紀行】生きた海鮮を踊り焼きにして食べられるお店・品川区北品川の「割烹 牧野」


東京品川区北品川。

江戸に最も近い宿場の江戸四宿(ししゅく)の1つとして栄え、東海道の玄関口であった場所、それが北品川。

実は当時の宿場の中心は、京浜急行線の北品川駅から青物横丁駅にかけての辺りであり、現在の品川駅とは少しずれている。

そんな北品川は、江戸四宿と呼ばれる千住宿、板橋宿、内藤新宿、品川宿の4つのうち、最も栄えた場所である。

実は当時の江戸四宿には岡場所と呼ばれる非公認の遊廓があり、飯盛女(めしもりおんな)という名目でそれぞれの宿場は遊女を置いていた。

遊女の上限が他の3つの宿場が150人というのに対し、品川は500人であったことからも、その栄華が他とは異次元なほどであったことがしのばれる。

そんな江戸の艶やかな雰囲気が残る北品川に、絶品の海鮮を味わえるお店がある。

それが今回ご紹介するお店「割烹 牧野」だ。

・本当の踊り焼き
こちらのお店、「本物の踊り焼き」が有名なお店。「踊り焼き」とは、その日水揚げされた新鮮な海鮮を、生きたままさばき、それを備長炭の炭火で炙って食べること。まさに新鮮そのものの海鮮をそのままで頂ける、最高の場所、それが「割烹 牧野」なのだ。

・名物・穴子の踊り焼き
こちらの名物は穴子の踊り焼き。江戸前は羽田沖であがった最高の穴子を、最高の技術で素早くさばく。まだ筋肉が波打っているうちに供される穴子は、白く透き通っており、妖艶なほどの美しさを放っている。きらきらと輝くその身を、思いっきり炭火で焼き上げる、それが踊り焼きなのだ。


身は備長炭の強烈な火力によって反り返り、身から出た脂は炭によって焦がされ、それが身をさらに香ばしく美味しく焼き上げていく。まさにこのお店だからこそ味わえる、そんな味がここにはある。

・車エビの踊り焼き
穴子だけではなく様々な踊り焼きがある。その中でも試して頂きたいのが車エビ。生きたまま竹串を打たれた車エビを、殻のまま炭火で炙り、レモンをしぼって頂く、まさに漁師でしか味わえないような調理法。

海老の殻は香ばしく炭で熱せられ、海老自身の持つ水分は殻によって閉じ込められ、まさに蒸し料理のように身はぷりぷりと仕上がる。外側の殻の香ばしさと内側の身のぷりぷり、ホクホク感、そして海そのもの香り。まさに絶品の海老料理と言えよう。

・もちろん他のメニューもウマい
こちらのお店、他のメニューももちろん最高に美味しい。刺身の盛り合わせも秀逸であるし、日本酒の品揃えも充実している。ただし、日本酒は四合瓶単位での販売がほとんどなので、日本酒好きな仲間と大勢で訪れて、好きな日本酒と肴を堪能することをオススメしたい。新鮮で脂ののった魚介類を備長炭で炙り、その肴を日本酒で流す。これ以上の贅沢は無い、そう思えるほどの味わいがそこにはある。



・シメは「漁師のまかない飯」
料理のシメに絶対に味わって頂きたいのが「漁師のまかない飯」だ。その日その日の新鮮な魚介類に生卵とダシ醤油、そしてゴマとネギで化粧されたネタをかき混ぜて、ご飯にかける。ひとくち食べればまさに至福の瞬間が訪れること間違いなしだ。


江戸の艶やかな香りが残る、北品川。

京浜急行線では各駅停車以外停まることの無いこの駅で、少し江戸の香りを探す旅をしてみてはいかがだろうか。

そこにはきっと、各駅停車でしか味わえない、最高の味わいが待っているに違いない。

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お店 割烹 牧野(かっぽう まきの)
住所 東京都品川区北品川2-19-2
営業時間  17:30~23:00(土曜日のみ22:00まで)
定休日 日曜日





















この記事のお店・スポットの情報

お店・スポット名 : 割烹 牧野(かっぽう まきの)

住所 : 東京都品川区北品川2-19-2