1000年の眠りからよみがえった、インドネシアにある世界遺産の巨大寺院・ボロブドゥール

「世界三大仏教遺跡」と呼ばれる遺跡をご存じでしょうか。

カンボジアのアンコール遺跡群、ミャンマーのバガン、インドネシアのボロブドゥール寺院遺跡群の3つです。

そのうち、アンコール遺跡群とボロブドゥール寺院遺跡群は世界遺産にも登録されています。

今回は、インドネシアにある世界遺産の遺跡、ボロブドゥールをご紹介しましょう。

ボロブドゥールがあるのはジャワ島にあるインドネシアの古都ジョグジャカルタ近郊です。

ツアーを利用してもいいですが、バスを利用して個人でも行くことができます。

所要時間は、ジョグジャカルタのギワガン・バスターミナルから1時間半ほど。

寺院の周囲は美しく整備され、緑に囲まれた広大な公園になっています。

ボロブドゥール寺院は、一辺が約120mの基壇をベースとして、約200万個ものブロックを積み上げた階段ピラミッド状の壮大な寺院。

いくら大きいと知ってはいても、実際に目の当たりにするとその巨大さに圧倒されてしまいます。


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紀元前の時代から、インドと東南アジアはインド洋における海洋貿易、「海のシルクロード」で結ばれていました。

このルートでインドからヒンドゥー教や仏教がもたらされ、インドネシアに多くのヒンドゥー教国や仏教国が誕生しました。

そのうちのひとつが、8世紀にジャワ島中部に生まれた仏教国、シャイレーンドラ朝です。

シャイレーンドラ朝が780年頃からおよそ50年をかけて築いたのがボロブドゥール。

しかしボロブドゥール完成後、シャイレーンドラ朝の力は急激に衰え、ジャワ島からその姿を消してしまいます。

それ以降、ボロブドゥールは土に埋もれ、熱帯雨林に覆われ、1814年に発見されるまでのおよそ1000年ものあいだ、忘れ去られた存在となっていたのです。

発見された当時は損傷が激しく崩壊寸前の状態でしたが、日本を含む27か国の資金援助を得たユネスコが1973年から10年の歳月をかけて修復。

ボロブドゥールは、いわば死の危機に瀕していながら華麗によみがえった遺産なのです。

ボロブドゥールで圧巻なのは、規模だけでなく壁面に彫られた精緻なレリーフの数々。





驚くべき立体感と臨場感。 シャイレーンドラ朝が高い芸術性をもっていたことがうかがえます。

ボロブドゥールには、1,460面ものレリーフとおよそ500体の仏像をはじめ、多数の神像やストゥーパ(仏塔)が祀られており、それらが悟りに至る道を示しているのです。

階段をのぼり、回廊を歩きながら上層に進んでいくと視界が一変します。

第四回廊の上は、悟りの境地である「無色界(欲望を超越した精神世界)」をあらわす三層の円檀。

そこにレリーフはなく、目に入るのは72基の釣鐘型をした小ストゥーパと、その中心に立つ大きなストゥーパです。


そこに足を踏み入れると、空気までもが違って感じられます。

直感的にそこが聖域であると感じられるような静謐な空気。

下層とは違い、壁にさえぎられることなく、ジャングルの木々と山々が描く稜線も目に飛び込んできます。


この特別な空気は、1200年前のシャイレーンドラ朝の人々が抱いていたまじりけのない信仰心が今も生き続けているからなのでしょうか。

ボロブドゥールは単なる建造物、歴史遺産にとどまらず、時を超えて人類が大切にすべきことを私たちに教えようとしているかのようです。

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