まるで巨大な万華鏡!ステンドグラスが美しすぎるパリの礼拝堂「サント・シャペル」

パリの教会といえば、おそらく最も有名なのがノートルダム大聖堂ですが、それ以外にも魅力あふれる教会がたくさんあります。そのひとつが、ノートルダム大聖堂があるシテ島に位置するゴシック建築の至宝、サント・シャペルです。

紀元前1世紀、ガリアのパリシィ族がセーヌ川の中州、現在のシテ島に住み着き、5世紀に彼らの築いた街が「パリ」と呼ばれるようになります。6世紀にはフランク族の初代王・クロヴィスがシテ島に王居を構え、10~14世紀には行政機関が置かれ王権の中枢として機能しました。

サント・シャペルは1242年から1248年にかけて、のちに「サン・ルイ」と呼ばれたルイ9世の命によって建設された礼拝堂です。裁判所と同じ敷地内にあるため外からは礼拝堂があるようには見えませんが、この建物の門をくぐった先にサント・シャペルがあります。

サント・シャペルは上層と下層、2つの礼拝堂に分かれています。

上層礼拝堂には聖遺物が展示され、王とその側近、そしてミサを執り行う聖職者のみが出入りした特別な空間で、下層礼拝堂は王宮の使用人の信仰の場でした。

こちらは下層礼拝堂。色彩豊かな装飾が印象的ですが、天井が低く特別豪華な印象を受けるわけではありません。

サント・シャペルでなんといっても圧巻なのが、上層の礼拝堂にあるステンドグラスの数々。下層礼拝堂から細いらせん階段をのぼると、突如として光の洪水の世界が広がります。

礼拝堂内の壁のほぼ一面がステンドグラスで覆われており、そのきらめきに歓声を上げずにはいられません。

一般的な教会と異なり、この礼拝堂では隣り合ったステンドグラスを隔てるのは細い柱のみ。そのため、万華鏡を思わせる連続した色の競演が見られるのです。

これらのステンドグラスは13世紀につくられたパリ最古のもので、総面積はなんと640平方メートルにも及ぶのだとか。それほど広くないこの礼拝堂でそれだけの面積をステンドグラスが埋め尽くしているなんて、驚嘆に値します。

しかも一つひとつのステンドグラスが極めて細やかで、色鮮やかで、いつまでも眺めていたくなるほど。

アーチ型天井の高さはおよそ20メートルで、ステンドグラスの高さは約13メートルから15メートル。入口から向かって左側の15のガラス窓には創世記からキリストの復活にいたる人類の歴史をテーマにした1113もの場面が描かれており、右側の14のガラス窓には聖書のエピソードが描かれています。

サント・シャペルのステンドグラスのなかでも最も重要とされているのが聖遺物箱がある祭壇の背後にあるキリストの受難を描いたものです。

花びらのように見えるステンドグラス、「バラ窓」は直径9メートルで現存しているのは15世紀に制作されたもの。

「フランボワイヤン」と呼ばれる様式で「聖ヨハネの黙示録」を表しており、世界の終わりを象徴して日の沈む西側に設置されています。その中央部には終末期に生者と死者の審判のために戻ってきたキリストが描かれています。

そのあまりの美しさからステンドグラスにばかり目が向きがちですが、壁面や柱に施された装飾も精巧で、色彩に富んでいます。側壁の100の柱頭には、それぞれに異なる葉模様が表現されています。

オーディオガイドやステンドグラスを解説した日本語の説明書きもありますので、ストーリを知ったうえで見学するとより一層楽しめます。

色と光が織りなす巨大な万華鏡、サント・シャペル。パリに行ったら、その比類のない美しさをじっくりと味わいたいものです。

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