インドネシアで野党が「禁酒法案」を提出!今後はバリ島でビールが飲めなくなる?


日本人が旅行を楽しむ時に、欠かせないアイテムの1つといえば、お酒ではないでしょうか。

アサヒやキリンなどのビールは海外でも有名で、日本人と言えばラガービールというイメージが、海外でも知れ渡りつつあります。

幸いにも、ASEAN地域のビールはビターよりラガーが優勢で、日本人の口に合うビールは、東南アジア各地に存在します。

その中でもインドネシアの『ビンタン』と『アンカー』、そして『バリハイ』はサーファーの間では定番の飲み物。

これらのビールの味を忘れられず、日本とインドネシアの往復を繰り返してしまうという人もいるくらいです。

ところが、そんなインドネシアビールに危機が迫っています。

・買いづらくなったビール

インドネシアは、イスラム教徒が大多数の国。

それでも中東地域に比べると戒律に厳格ではなく、国内にアルコール市場も存在します。

ですが、去年からアルコール飲料の立場が徐々に追いやられるようになりました。

きっかけは当時の貿易大臣が発令した「コンビニ禁酒令」。

これはコンビニのような小規模店舗でお酒を売ってはいけないというもので、観光産業で潤っているバリ島を除き、インドネシア各地のコンビニからビールが姿を消しました。

なぜこのような命令を出したのか。政治家は「国民の健康のため」と説明し、宗教は関係ないと付け足しました。

ですが案の定、外国人観光客から不評を買ってしまっています。

現地の観光関連業者も「これでは旅客が減ってしまう」と抗議の声を挙げる始末。

さらにキリスト教徒でもある現ジャカルタ州知事バスキ・プルナマ氏は「ビールで死んだ人間なんか見たことない」と皮肉を言いました。

そして、話はこれで終わりません。

・「宗教は無関係」か?

今年9月、野党が衝撃の法案を提出しました。

それは「バリ島を含むインドネシア全土での完全禁酒」。

これが可決されれば、この国ではアルコール飲料の製造・販売・消費が違法行為になります。

もちろん、この法案が現実のものとなる可能性は限りなく低いのですが、大事なのは野党が禁酒法案を提出した根拠です。ここでもやはり「国民の健康のため、宗教は無関係」と言っています。

当然ながら、バリ島の有力実業家はこぞって大反対しています。ビールもグルメのひとつですから、世界的に人気のあるインドネシアビールがなくなると観光産業にとっては大打撃になってしまいます。

・観光業者の憂鬱

世界各地のお酒を飲むのが目的の「アルコール・ツーリズム」は、日本でも物珍しいものではなくなってきています。

大都市の会場で行われる日本酒の試飲会などは、当日券が確保できないほどの人気です。

ワインの産地であるボルドーやブルゴーニュにワインを飲むためだけにフランスを旅行する、おいしいスコッチウィスキーを飲みにスコットランドを旅行する、そんな旅を楽しんでいる人もたくさんいます。

「ビンタンやアンカーのないバリは嫌だ!」と外国人旅行者が考えるのは、それだけインドネシアのビールが愛されている証拠。ですがそれを理解できない政治家や知識人が、少なからず存在するのもまた事実なのです。

外国人旅行者の増加を目論むインドネシア政府ですが、その道筋は決して単純ではないようです。

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