ポルトガル第3の都市、コインブラには世界遺産の大学があった!

ポルトガル第3の都市コインブラは、ポルトガルの文化の中心地。コインブラの象徴ともいえるコインブラ大学は、現役の大学としては珍しく世界遺産に登録されています。

コインブラに大学が置かれたのは1308年のこと。ディニス王によってリスボンに創設された大学がコインブラに移転したことがはじまりです。以来、コインブラの街はコインブラ大学と密接に結びついて発展してきました。

ポルトガルのみならずかつての植民地の大学に与えた影響や、建造物としての価値といった歴史的、文化的重要性が評価され、2013年、コインブラ大学は世界遺産に登録されたのです。

コインブラに来たら、まずは中心部の丘の上にたたずむ大学を目指しましょう。現在のコインブラ大学は古い部分と新しい部分とに分かれており、見ごたえがあるのは旧大学のほう。「鉄の門」と呼ばれる重厚な門が旧大学への入口です。

旧大学最大の見どころとなっているのが、鉄の門から見て一番奥にあるジョアニア図書館。

ジョアン5世の命によって18世紀に建てられたもので、金泥細工による装飾は息を呑む美しさ。30万冊に及ぶという蔵書も圧巻で、「図書館としては世界でも一、二を争う豪華さ」と、称賛されています。残念ながらジョアニア図書館内部の写真撮影は禁止。ぜひご自身の目でその素晴らしさを確かめてみてください。

ジョアニア図書館の右隣にあるのが、16世紀に建てられたサン・ミゲル礼拝堂。

小さな礼拝堂ながら、17世紀のアズレージョ(装飾タイル)をはじめ、色とりどりの装飾が施された空間は目を奪われる可憐な美しさです。

ひときわ目を引くのが、18世紀に造られた大きなバロックオルガン。精巧かつ華やかな装飾に思わず目が釘付けに。オルガンのケースにペイントされた中国風のモチーフにも注目です。

旧大学の敷地内で最も目立つ建物が、時計塔とラテン回廊。

18世紀に建てられた時計塔は、学生たちのあいだで「カブラ(山羊)」と呼ばれ、コインブラ大学のシンボル的存在として親しまれています。

ラテン回廊は、かつてここではラテン語を話すことが義務付けられていたことからその名が付いたのだそう。

ラテン回廊の奧に進むと、もともと17世紀に造られた宮廷の広場で、学位授与式などの式典に使用されてきたきらびやかな「帽子の間」などを見ることができます。

帽子の間の壁には歴代のポルトガル国王の肖像画が架けられ、厳かな雰囲気。現在も、博士号の口頭試問がここで行われているのだとか。

多くの観光客が訪れる世界遺産とはいえ、現役の大学。学生らしき若者が行き交うのをたびたび目にします。なかには、ポルトガルの大学生の正装である、スーツにマント姿の学生たちの姿も。

コインブラ大学は、歴史の遺産であると同時に、今もポルトガルの将来を担う若いエネルギーに満ちた場所。単なる観光地とはひと味違う、ユニークな体験が待っていますよ。

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