この豪華さは見ないと損!ポルトガル・リスボンのアジュダ宮殿に圧倒される

「ヨーロッパで最も美しい街」にしばしばその名が挙がる、ポルトガルの首都リスボン。リスボンの観光スポットといえば、なんといっても世界遺産のジェロニモス修道院や、ベレンの塔などが有名です。

しかしリスボンの魅力はそれだけではありません。ジェロニモス修道院の近くにあるもうひとつの必見スポットがアジュダ宮殿です。ベレン駅からテージョ川と反対方向に向かって歩くことおよそ15分。

観光客が押し寄せるジェロニモス修道院とは対照的に、この宮殿を訪れる観光客はそう多くはありません。

アジュダ宮殿はプラガンサ王朝の居城のひとつで、リスボンで最初に造られたネオクラシカル様式の建築物のひとつです。もともとは1761年に建てられましたが、1794年に火災で焼失。現在の建物は、19世紀初めにイギリスのバッキンガム宮殿をモデルに建て直されたものです。

1908年、国王カルロス1世と皇太子が暗殺され、立憲王政が終焉を迎えます。それに伴い一時は荒廃したアジュダ宮殿ですが、現在は迎賓館として使用されています。

外から見ると、政府機関のような堅い印象を受けますが、宮殿内にはその外観からは想像できないほど豪華な世界が広がっています。

入場受付兼最初の部屋が「射手の間」。王家とその訪問者が日常的に使用していた部屋で、「射手」と呼ばれた護衛が任務に就いていました。

ルイス1世が国の政にあたった「謁見の間」。

アレクサンダー大王の生涯を描いたフランスのタペストリーや、ペルシャ絨毯、中国の花瓶など、国際色豊かな調度品で飾られた部屋は豪華で威厳に満ちています。

19世紀につくられた「青の間」。

王妃の趣味により整えられた空間で、イタリアから運ばれた大理石の彫刻をはじめとする調度品が優雅なムードをたたえています。

「大理石の間」は、自然の要素を家の中に持ち込むのが流行した19世紀の時代背景を表しています。

リラックスのための空間で、王族の誕生パーティーや夕食会がしばしばここで催されたのだとか。

アジュダ宮殿を代表する部屋のひとつが、王妃のプライベートな居室であった「ザクセンの間」。「ザクセン」とは、ドイツのザクセン地方のことで、高級陶器ブランドとして知られる「マイセン」の里です。その名の通り、「ザクセンの間」はマイセン陶器で彩られた部屋。

ピンクの壁に白い天井、ゴールドの装飾が美しいロマンティックな空間に、18~19世紀にかけてマイセンとベルリンの工場でつくられたマイセン陶器が散りばめられています。

シャンデリアからドレッサー、本棚にいたるまで、すべてに陶器をあしらった調度品の数々は見事。あまりの華やかさに思わずため息が漏れます。

高貴な青が印象的なのは、王妃のベッドルーム。

ルイス1世がパリから取り寄せたシルクと家具でこの部屋が整えられました。部屋のスタイルは当時ヨーロッパで大流行していたナポレオン3世様式の影響を受けています。

西洋的な空間だけでなく、東洋趣味の影響を受けた「中国の間」もつくられました。

「中国の間」といいながら、日本の伊万里焼を使ったシャンデリアや花瓶なども展示されています。

王家の権威を象徴しているかのような空間が「王座の間」。およそ2世紀にわたり、この部屋は最も重要な賓客を迎える場として使われました。王が入場する際には、当時の国家が演奏されたのだとか。

王国の式典が催された大宴会場は、まさに国の威信をかけているかのような壮麗な空間。現在もポルトガル国王主催の祝宴がこの部屋で開催されているそうです。

優雅な天井画に、きらびやかなシャンデリア、当時非常に高価であった鏡を惜しげもなく使った華麗なる空間を前に、言葉を失います。

宮殿内はとても広く、ご紹介したのは数ある部屋の一部にすぎません。個性豊かな空間の数々が出迎えてくれるアジュダ宮殿は、まるでくるくると表情が変わる万華鏡のよう。

ジェロニモス修道院に比べ知名度は低くても、行ってみるとその素晴らしさがわかるアジュダ宮殿は、リスボンで見逃せない穴場スポットなのです。

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