世界遺産スウェーデンの森の墓地(Skogskyrkogården)/「死者は森へ帰る」北欧の独特の死生観を知る

スウェーデンの首都ストックホルムの郊外にある森の墓地は、「死者は森へ帰る」という北欧独特の死生観を体感することができる美しい墓地。

ストックホルムの中心部から電車で約15分ほどの距離に広がる墓地は、一国の首都であることを忘れてしまう程の自然が溢れる場所。

それでは、森の墓地を訪ねてみましょう。
スウェーデン語で「森の墓地」を意味するスコーグスシュルコゴーデン(Skogskyrkogården)は、スウェーデンを代表する建築家のグンナル・アスプルンド(Gunnar Asplund)とシーグルド・レーヴェレンツ(Sigurd Lewerentz)によって手掛けられました。

ストックホルム中心部からほど近い距離であるにも関わらず、広大な森林に10万もの墓地が並び、アスプルンド自身や、スウェーデン出身のハリウッド女優のグレタ・ガルボもここに眠ります。森の墓地の象徴的存在になっているのは、正面入り口からまっすぐに伸びる道と花崗岩の巨大な十字架。

見る人により違った印象を受けるであろうこのモニュメントは、北欧の大自然と上手く融合しています。上に行くほど歩幅が狭くなる長い階段を登り、瞑想の丘から森の墓地を一望してみましょう。
十字架のすぐそばには、森の火葬場、信仰の礼拝堂、希望の礼拝堂、聖十字架の礼拝堂があります。森の墓地の中で特に美しい場所は、瞑想の丘から888メートル続く七井戸の小道(Sju brunnars stig)です。まっすぐ歩いた先には、復活の礼拝堂(Uppståndelsekapellet)があります。風の音や鳥の声が聞こえる静かな森の小道は、神秘的な雰囲気。
森林の中にシンプルな墓石が無数に並びます。
森の墓地は人間の誰もが持つ「死への恐怖」を包み込んでくれるような場所です。シーグルド・レーヴェレンツが設計した復活の礼拝堂と、グンナル・アスプルンドの森の礼拝堂は対象的な建築。森の礼拝堂はその名の通り自然に溶け込んでおり、神秘的な美しさです。森の墓地を訪れるのは、ビジターズセンターやガイドツアーが営業している夏季がオススメです。
ビジターズセンターでは本やポストカードなどを販売しており、小さなカフェも営業しています。

広大な敷地内を歩くのに便利な地図も用意されているので、ぜひ立ち寄ってみてください。

墓地という概念を超え、芸術的な美しさを兼ね備える森の墓地を訪ねてみませんか?

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名前 森の墓地(Skogskyrkogården)
住所 Sockenvägen, 122 33 Stockholm, Sweden
アクセス 地下鉄Skogskyrkogården駅下車すぐ
営業時間 11時~16時(ビジターズセンター)
定休日 ビジターズセンター、ガイドツアーは夏季のみ営業
公式サイト  http://skogskyrkogarden.stockholm.se/in-english/
料金 無料、ガイドツアー料金100クローナ