【知られざる世界の常識】ドイツの高速道路は無料でなおかつ速度制限なし!?その驚きの実態とは

「ドイツ」と聞いて、私たちがよく思い浮かべるのがビールとソーセージ。それに加え、車好きなら「アウトバーン」を挙げる人も多いのではないでしょうか。

「アウトバーン」とは、ドイツ語で「車」を意味する「Auto」と、「車線、通り道」などを意味する「Bahn」をつなげた言葉。つまり、自動車専用道路(高速道路)のことです。

日本では、よく「速度無制限」「無料」という点が驚きをもって受け止められるドイツのアウトバーンですが、実はこの認識は必ずしも正しくないということをご存じでしょうか。

・「速度無制限」は半分ホントで半分ウソ

「ドイツのアウトバーンは速度制限がない」とよく言われますが、アウトバーン全体に共通する速度制限がないだけであって、速度制限がまったくないわけではありません。

つアウトバーンには速度無制限の区間と速度制限のある区間、両方が存在するのです。

たとえば、カーブがある箇所や工事中の箇所、合流地点など、事故の起きやすい場所にはちゃんと制限速度が設けられています。

とはいえ、その制限速度もアウトバーンでは時速100キロ超のことが少なくないので、日本人からすればじゅうぶん速いといえますが・・・

・ドイツ人はどれくらいのスピードでアウトバーンを走るのか

日本では「飛ばし放題」のように思われがちなドイツのアウトバーンですが、実際にドイツ人はどのくらいのスピードでアウトバーンを走るのでしょうか。

一般に、ドイツのアウトバーンで流れに乗りやすいスピードは時速140キロ前後。大型トラックなどは、時速100キロ程度で走っています。

もちろん、時速200キロ以上で飛ばす人もいますが、スピードの出し過ぎで事故を起こすと保険が降りにくくなるので、時速140キロ程度にとどめるドライバーが多いのです。

日本人にとっては時速140キロといえばかなり速く感じますが、山の少ないドイツにはカーブやトンネルが少なく、まっすぐで幅の広い道が多いので、ドイツのアウトバーンでの時速140キロはさほど速く感じません。

・アウトバーンは「完全無料」ではない

日本では「無料」という点が強調されるドイツのアウトバーンですが、実は完全無料というわけではありません。

アウトバーンの建設費用などを確保するため、2005年から12トン以上の大型トラックに対して通行料を課すしくみが導入されています。料金は排気ガス量や車軸数によって異なり、走行距離1キロあたり0.141~0.288ユーロが徴収されています。

2018年2月現在、普通自動車のドライバーは無料でアウトバーンを利用できますか、実はそうでなくなる日も近いかもしれないのです。

・2019年からアウトバーン有料化?

2017年3月、ドイツの連邦議会で普通自動車に対してもアウトバーンの通行税を課す法案が承認されました。これによって、2019年からアウトバーン有料化の可能性が濃厚となっています。

まだ確実に実施されると決まったわけではありませんが、アウトバーンの有料化が実現した場合、ドイツ旅行中に車を借りてアウトバーンを走行するドライバーにもアウトバーンの通行税が課されることになるため、日本人にとってもまったく関係のない話ではありません。

ドイツ人に対しては自動車税減税による負担の相殺策があるため、差別的だという周辺諸国からの反発も根強いドイツのアウトバーンの有料化。

ドイツが誇る大動脈がどのような展開を迎えるのか、今後も目が離せません。

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