今年で閉店してしまう老舗洋食屋のオムライスを食べておこう。北千住「ニューあわや」のオムライス。
物事には始まりもあるが、終わりもある。いくらその味が素晴らしいといっても、作り手が辞めてしまうとその味は楽しめなくなってしまう。
今回はそんな少し切ない、でも閉店してしまう前に味わっておきたい名店をご紹介したい。お店は足立区の北千住にある「ニューあわや」。
こちらのお店は戦前の昭和13年に和菓子屋として開業、昭和38年に和菓子・洋菓子と洋食を兼ねたレストランとしてリニューアルオープンした歴史あるお店。
そんなお店が年内いっぱいでお店を閉店してしまうという噂を聞きつけ、最後にその味を堪能してきた。
こちらのお店は店構えからして特徴的。入り口の左側にはお菓子売り場が存在する。
また少し暗い店内には様々な著名人のサインや店主の趣味が、統一感なく配置されている。
著名人のサインを見れば、ホームラン王の王貞治選手や、和食の鉄人道場六三郎さんも訪れている洋食店だということがわかる。
ともすれば置いてあるものは少し雑多な感じはするが、これが昭和レトロなのかもしれない。
こちらでオススメしたいのはオムライス。
こちらのオムライスは、最近流行っている半熟卵のオムライスではなく、正統派のオムライス。
バターで炒められたケチャップライスは、香ばしいバターの香りがしっかりと残っており、濃いすぎもせず、薄すぎもせず、ケチャップの味わいも絶妙。
その抜群のケチャップライスが薄焼きの卵でしっかりと包んであるのだ。ウマくない訳が無い。
お伺いすると、この味を求めて来ていたファンの方、数人に会う事ができた。とても残念だが、今年でまた1つ、昭和に産まれた洋食店が姿を消してしまう。
どれくらいの年月お客様をお迎えしてきたのか分からないが、店先に並んでいる日に焼けてしまったペコちゃんや人形達、そのすべてが愛しく思える。
来年になると絶対に食べる事が出来なくなってしまうオムライス。もし機会があったら北千住に行ってみてはいかがだろうか。
きっとそこには、時代に育まれて磨き上げられてきた味わいがあるに違いない。
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お店 ニューあわや
場所 東京都足立区千住1-21-9
営業時間 11:00~20:30
定休日 水曜日