19世紀の英国を代表する風景画家たちを魅了した、ソールズベリー大聖堂へ

ロンドンから電車で南下すること約1時間半、ウィルトシャー州の州都ソールズベリーがあります。現在人口4万人ほどの町ですが、世界的に有名なガイドブックを出版するロンリープラネット社が発表した『Best in Travel 2015』にて、世界第7位にランキングしました。

これまでは、バスで30分ほどの距離にある世界遺産ストーンヘンジを見に行く観光客が少し立ち寄る「経由地」的な位置づけになりがちでしたが、この2015年は「必見」観光地へ。そのキーを握るのがソールズベリー大聖堂です。

町の周りにエイヴォン川の支流などが流れているソールズベリーは、水の便の良さや潤沢さから、鉄器時代に町が建設されました。ローマ帝国時代に入ると、ローマ人により占拠され、その後ノルマン人による侵略も受けました。

この重要拠点ソールズベリーにて、13世紀に7万トンの石、2万8千トンのオーク、420トンの鉛を使った壮大な大聖堂が完成。この長い歴史を持つ大聖堂には、英国の歴史史上とても大事なものが保管されています。その1つが「マグナ・カルタ」です。

「マグナ・カルタ」とは、1215年にイングランド王ジョンにより制定された憲章であり、現代イギリスの法律の土台となっています。そして現在英国内に「マグナ・カルタ」の原本が4つ残っていますが、そのうちの1つがこの大聖堂に保管されており、かつ一番保存状態が良いとされています。

2015年はこの「マグナ・カルタ」発布800周年。これを記念して今年ソールズベリーでは、「マグナ・カルタ」に関連した盛り沢山なフェスティバルが予定されています。

さて、大聖堂に保管されているものばかりでなく、大聖堂の建物自体もとても特徴的です。

イギリスには数々の有名な大聖堂がありますが、大部分は長い年月を掛けて建築、改築、増築を続けるうちに、複数の建築様式が共存することが多くあります。

ところがこのソールズベリー大聖堂は、1220年から1258年の38年という大聖堂建築としては短期間で建設され、そのまま今も残っており、デザインがほぼ初期イギリス・ゴシック様式で統一された英国にある大聖堂としては珍しい例です。またこの様式の代表的な建築物として知れ渡っています。

この「中世の傑作」と称される大聖堂の特徴の1つが、123mと英国の大聖堂で一番高い尖塔です。大聖堂が取り仕切るガイドツアーに参加すると、332段の階段を登り、尖塔の上から水辺の綺麗なソールズベリーの町を楽しむことができます。

また教会内のチャペル、回廊、ステンドグラス、建物の外側に飾られた彫刻の数々など、沢山の見どころがあります。

そして更に見逃してはいけないポイントが、「典型的な古き良きイギリスの風景」とされる大聖堂の建物と田園風景の美しいコンビネーションです。イギリスのガーディアン紙が発行する雑誌「Country Life magazine」の読者投票では、英国のベスト風景の1つとして選ばれています。

この素晴らしい風景は、19世紀の英国を代表する二人の風景画家、ジョン・コンスタブルとウィリアム・ターナーをも魅了しました。ジョン・コンスタブルに至っては、この大聖堂と田園風景を題材に何度か絵を描いています。

例えば、「主教の庭から見たソールズベリ大聖堂」と題する絵が、1823年・1825年と2度に渡り描かれました。前者は現在ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、後者はニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵しています。

また1831年には「牧草地から見たソールズベリー大聖堂」という絵も描き、こちらはロンドンのナショナル・ギャラリーに収められています。

コンスタブルと並び称されるウィリアム・ターナーも、「ソールズベリー大聖堂の参事会堂」という絵を描いています。

こうして、ソールズベリー大聖堂を中心に見るべきポイントのあるソールズベリー。「マグナ・カルタ」発布800周年で盛り上がる2015年に、ぜひ1日かけて巡ってみてはいかがでしょうか?

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