【世界の廃墟】産業遺産として初めて世界遺産に登録されたフェルクリンゲン製鉄所

ドイツ南西部ザールラント州にある産業遺産のフェルクリンゲン製鉄所。

1994年に産業遺産としては世界で初めて世界遺産に登録された製鉄所では、現在でも操業当時の姿が完全な姿で残されており、敷地内では銑鉄精錬の全工程を見学することが出来ます。

迫力のある太いパイプや大きな溶鉱炉を間近で見ることが出来、工場などに特別詳しくなくても楽しめるのがフェルクリンゲン製鉄所の魅力です。

1873年に操業を開始したこの製鉄所は、最新技術の導入や周辺地域からもたらされる豊富な資源により、やがてヨーロッパで最大の製鉄所へと成長していきます。

第二次大戦中には約7万人もの女性や捕虜、強制労働者が、ここで過酷な労働に従事させられていました。

この大戦中にドイツ国内では多くの機械、製鉄関連施設が爆撃を受けましたが、唯一フェルクリンゲン製鉄所だけは奇跡的に被害を逃れました。戦火を逃免れた製鉄所は戦後のヨーロッパの復興に大きく貢献し、1950~60年代には生産量がピークに達します。

最盛期に働いていた従業人数は17000にも及びました。

しかし鉄鋼危機の影響を受けて生産量も減少し、やがて製鉄所は1986年に操業を停止します。100年以上にわたり銑鉄をもたらしてきた製鉄所はその役目を終えたのです。

その後は設備の修復や十分な安全確保がなされ、製鉄業全盛期の様子を伝える博物館として運営される事になりました。

施設の中には分かりやすく巡回ルートが示してあり、それに沿って見学をします。また元従業員によるガイドツアーもあり、そちらも人気を集めています。

保存状態の良い施設内では当時の操業の様子を伺うことができます。錆びついた高炉や30メートル近い高さの炉口、面白い形にぐねぐね曲がったパイプなど、どれも迫力があります。

まるでジブリ映画のワンシーンに出てきそうな光景ですね。

ここの操業によりよりフェルクリンゲンは100年あまり製鉄都市として繁栄を享受しますが、その陰には過酷な労働環境の下で働いていた従業員や強制労働者がいたという事も忘れてはなりません。

かつてヨーロッパの製鉄業を支えてきた施設は、現在ではコンサートや展覧会などが開催される文化の拠点となっています。世界中でもここでしか見る事の出来ない、完全な形で残された迫力満点の製鉄所。製鉄業をけん引してきた歴史や過酷な労働の歴史を、あなたも感じてみたいと思いませんか?

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名前 フェルクリンゲン製鉄所 (Völklinger Hütte)
住所 Rathausstraße 75-79, 66333 Völklingen, Germany
行き方 フェルクリンゲン(Völklinger)駅から徒歩5分
公式HP http://www.voelklinger-huette.org/