感動体験!リスボンの国立古美術館で桃山文化の傑作、南蛮屏風に出会う

ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルは、日本から見て最も遠いヨーロッパの国のひとつであるといえるでしょう。ところが、そんな地理的な遠さとは裏腹に、日本とポルトガルは古くから友好関係を築いてきました。

1543年に種子島に漂着したポルトガル人が日本に鉄砲を伝えたのを皮切りに、日本とポルトガルの交流が始まりました。ポルトガルは、日本にとって初めての西洋との出会いだったのです。

ポルトガル人がそれまで日本には存在しなかった数多くの品物を日本に紹介したことで、日本語に新たな語彙が生まれました。「パン」、「ボタン」、「コップ」、「タバコ」など、今も私たちが日常的に使っているこれらの単語はポルトガル語を語源としています。

そんな、日本に大きな変化をもたらした「遥かなる隣人」ポルトガルを訪れるなら、日本とポルトガルの交流の歴史をたどってみたいもの。

日本とゆかりのあるスポットのひとつが、リスボンにある国立古美術館。17世紀に建てられた宮殿を改装して、1884年に設立されたポルトガルを代表する美術館です。

広い館内には12世紀から19世紀までのポルトガル芸術や、大航海時代にポルトガルが世界各国から集めた品々などが展示されています。

国立古美術館にある膨大な展示品のうち、日本人として見逃せないのが日本からポルトガルに渡った南蛮屏風。南蛮屏風が展示されている2階の一室は、まさに日本を思わせる雰囲気。館内の他の空間とは、まったく違った空気が流れているかのようです。

はるばるやって来たポルトガルで出会う「日本」に、鳥肌が立つような感動を覚えます。展示室には、障子など日本ならではのインテリアが取り入れられており、日本文化に対するポルトガルの敬意が感じられるようで嬉しいですね。

必見の南蛮屏風は、狩野内膳作の桃山文化の最高傑作といわれる16世紀末から17世紀の屏風絵。インドのゴアで出航準備をするキャデラック船と、それが長崎・平戸に到着した様子が対の屏風に描かれており、当時の様子を伝える貴重な資料となっています。

突然現れた「黒船」と、日本人とは似ても似つかない容貌や服装のポルトガル人を目にした当時の日本人の驚きはいかほどのものだったか。それはきっと、世界中のニュースが瞬時に飛び込んでくる現代を生きる私たちの想像を超えていたことでしょう。

当時のポルトガル人たちの服装が丹念に描き込まれているのは、それだけの新鮮さと驚きがあったからであり、狩野内膳がそれを後世に伝えるべきだと考えたからでしょうか。

ラクダやクジャクといった、それまで日本人にほとんど馴染みがなかったであろう動物たちの姿も描かれています。はるか異国からやってきた「南蛮人」と彼らが日本にもたらしたものは、まさに未知との遭遇。驚きの連続であったに違いありません。

屏風のみならず、ポルトガル人が描かれた小箱なども展示されており、当時のポルトガルが日本に与えた影響の大きさが感じられます。

異国の地で、日本からはるばる海を超えてポルトガルに渡った南蛮屏風に出会う。それは、どこか旧友に再会したような懐かしさと喜びを感じる体験です。

リスボンを訪れるなら、国立古美術館で、日本とポルトガルの交流の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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