【世界の絶景】魅惑のインド・ラジャスターン地方の3つのカラフルな町をめぐる

インドで最もエキゾチックなエリアといえば、北インドに広がる砂漠地帯・ラジャスターン地方。町ごとにまったく異なる風景、色鮮やかな民族衣装や雑貨の数々・・・他にはない独特の異国情緒が世界中の旅人を惹きつけてやみません。

ラジャスターン地方のなかでも特に人気の高い、色にちなんだ異名をもつ3つの町をめぐってみましょう。

・ピンクシティ・ジャイプール

ラジャスターン州の州都・ジャイプールは、1728年にマハラジャのジャイ・シン2世によってつくられた町。インドの歴史都市としては珍しく碁盤目状に整備されていて、美しい赤砂岩の建物で統一された町並みから、「ピンクシティ」の愛称で親しまれています。

ラジャスターン州の観光都市のなかでは最も首都デリーに近く、アクセスが便利なことから、最も多くの外国人観光客の姿を目にする町でもあります。布製品や宝石が安価で買えるショッピングシティとしても有名で、ロマンティックな町並みとあわせて、特に女性に大人気。

そんなジャイプール最大の見どころのひとつが、世界遺産にも登録されているアンベール城。今はジャイプールの町はずれの高台にそびえる城砦ですが、1727年に現在のジャイプール旧市街に遷都されるまでは、ここがジャイプールの都でした。

ふもとから見上げるその姿は迫力満点。「世界一美しい門」といわれる精緻で華やかな装飾が圧巻のガネーシャ門や、壁と天井一面がガラス装飾で埋め尽くされた「ジャイ・マンディル」など、城内も見ごたえ抜群です。

ほかにも、ジャイプールのシンボル的存在である、953もの小窓をもつ優美な離宮「ハワ・マハル(風の宮殿)」や、今なお一部の建物に王族が暮らす「シティパレス」など、壮麗な建築物の数々にはただただ圧倒されるばかり。王族が築いた、浮世離れした壮大な建築美に酔いしれましょう。

・ブルーシティ・ジョードプル

ジャイプールから西に300キロ、広大なタール砂漠の入り口にあるのがジョードプル。1459年にマールワール王国の都として、ラートール家の王、ラーオ・ジョーダによって築かれた町です。

長さ約10キロにおよぶ城壁に囲まれた旧市街の建物のほとんどが青く塗られていることから、「ブルーシティ」の異名をとっています。もともとは、青い家はバラモン(インドのカーストにおける僧侶・祭司階級)の家であることを示していましたが、しだいにバラモン以外の人々も家を青く塗るようになりました。

この青色は体感温度を下げる効果や、蚊を寄せ付けない効果があるのだとか。異次元の世界に迷い込んだかのような、どこか幻想的な風景は忘れられない印象を残します。

ジョードプル最大の見どころがメヘランガル城。130mの断崖に、高さ36メートル、厚さ24メートルにも達する城壁を積み上げてつくられた壮大な城砦です。1459年にジョードプルを築いた王、ラーオ・ジョーダが街のシンボルとして建設し、その後増改築が繰り返されました。

メヘランガル城からジョードプルを見下ろすと、「ブルーシティ!」が体感できます。現在でもマハラジャが所有するという城内は博物館として公開されており、豪華な部屋や王族の権威を示すコレクションの数々は見事です。

・ゴールデンシティ・ジャイサルメール

ジョードプルからさらに西へ287キロ、パキスタンとの国境まで100キロのインドの西の果てにある小さな町がジャイサルメールです。1156年にバッティ家の王、ジャイサルによって築かれたジャイサルメールは、かつてインドと中央アジアを結ぶ交易の要衝として栄えました。

最盛期には11万の人口を擁したジャイサルメールの町には莫大な富がもたらされ、商人や貴族たちはこぞって「ハヴェーリー」と呼ばれる豪華な装飾を施した邸宅を建てました。砂漠色の砂岩でできた建物が夕陽に反射して黄金に見えることから、「ゴールデンシティ」の異名をとっています。

ジャイサルメールきっての見どころが、世界遺産にも登録されているジャイサルメール城塞。ジャイサルメールを築いたバッティ家の王、ジャイサルによって1156年に建設されたこの城塞は、まさにジャイサルメールのシンボル。

今では小さな田舎町といった風情のジャイサルメールには不釣り合いなほど壮大でその迫力に圧倒されます。

この城塞について特筆すべきは、現在も城塞の内部に人が暮らしているということ。民家だけでなく寺院やホテル、ショップ、レストランもあり、まさに今なお生き続ける城塞都市なのです。城塞の一部は博物館として公開されていて、ここから見渡すジャイサルメールの街はまさに絶景。

世界遺産にも登録されている壮大な建造物やダイナミックな自然の風景が待っているラジャスターンの旅は、まさに驚きの連続。ここにしかない景色に会いに、出かけてみませんか。

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