実はマザー・テレサの出身地、マケドニア・スコピエの「マザー・テレサ記念館」に行ってみた

インドの貧者や病人のために尽くした修道女、マザー・テレサ。ノーベル平和賞を受賞するまでにいたった彼女の功績はあまりにも有名ですが、マザー・テレサがどこで生まれたのかは意外と知られていません。

インドでその生涯の大部分を過ごしたことからインド出身と思われることもありますが、マザー・テレサが生まれたのは、現在のマケドニアの首都スコピエです。

日本人にはあまりなじみのないマケドニアは、東ヨーロッパ・バルカン半島に位置する小国。かつては旧ユーゴスラビアの構成国のひとつでした。

面積は九州の3分の2ほど、人口はおよそ200万人にすぎませんが、マケドニア人やアルバニア人、トルコ人といった多様な民族が共存する国です。

マザー・テレサは、この地がまだオスマン帝国領であった1910年、現在のマケドニアの首都スコピエに生を受けました。

本名は、アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ。「テレサ」というのは彼女が初誓願のときに選んだ修道名であり、「マザー」というのは指導的立場にある修道女への敬称です。

人口わずか200万人のマイナー国家、マケドニアの人々にとって、世界的偉人であるマザー・テレサはまさに人民の誇り。

スコピエの町を歩けば、「マザー・テレサはスコピエで生まれた( Mother Teresa was born in Skopje)」というアピール文を目にしますし、マザー・テレサグッズを売る屋台にも出会います。

そんなマザー・テレサ生誕の地に2009年にオープンしたのが「マザー・テレサ記念館」。

スコピエの中心地、マケドニア広場からもほど近いこの場所が選ばれたのは偶然ではなく、ここがマザー・テレサが洗礼を受けた教会の跡地だったからです。

古さと新しさが共存する、独特の建築スタイルが目を引くマザー・テレサ記念館は、近年奇抜な建物や銅像が数多く建てられているスコピエらしい建築物といえるかもしれません。

開館以来、毎年8万から10万人の人々がこの記念館を訪れ、マザー・テレサの生涯に触れているといいます。訪問者のなかには各国の大統領や首相、大使、マザー・テレサの甥といった権力者や有名人も多数含まれているとか。

3階建ての建物の2階部分は、20世紀初頭の家を模した展示室になっています。

ここでは、マザー・テレサとその家族の写真や、マザー・テレサによって書かれた祈祷書、ノーベル平和賞を受賞した際にマザー・テレサがスコピエ市長に宛てて書いた手紙のコピーなど、さまざまな資料とともに、幼少時代から晩年までの彼女の生涯を振り返っています。

特に重要な展示物は、マザー・テレサのシンボルであった質素な白いサリー。彼女は1940年代後半から、青い縞の入った白いサリーを身に着け、貧しい人々のために尽くすようになりました。

展示室の上、3階は礼拝堂になっています。ここは2階とはうってかわって近代的なガラス張りの空間。

中央の祭壇には、ふとした瞬間を切り取ったマザー・テレサのポートレート写真が飾られており、彼女の魂が今もここで生き続けているかのように感じられます。

マザー・テレサがノーベル平和賞を受賞するほど評価された要因のひとつが、彼女がカトリック教会の修道女でありながら宗教や宗派を超えて、助けを必要とする人のために身を捧げたこと。

その死後から19年を経た2016年9月、マザー・テレサは聖人に列せられました。

知っているようで意外と知らないマザー・テレサの生い立ち。マケドニアを訪れたら、スコピエが誇るマザー・テレサ記念館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

http://memorialhouseofmotherteresa.com/en/

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