国産ビールの軌跡!都内でフラリとヱビスビール記念館に立ち寄ってみよう!
|今や世界各国で親しまれているビール。2014年に発表されたキリンビール大学の調べによると、何と東京ドーム約152杯分にもあたる量が世界で消費されているそうです。
ビールのルーツは紀元前にまでさかのぼり、古代メソポタミアやエジプトの時代には、すでにビールを製造したり、消費をする様子が記録に残されています。
その後、中世から近代にかけて、ビールの醸造技術に磨きがかかったこともあり、ヨーロッパを中心に生産量・消費量ともに増えていきます。また水の質が悪い地域では、水の代わりの飲料として重宝されました。
日本においては、19世紀にヨーロッパからビールが持ち込まれました。そして、ビールの将来の発展可能性を見据えて、日本国内でもいくつかの場所でビールの醸造が開始されました。
そのうちの一社である日本麦酒醸造会社は、本場ドイツから、専門の醸造技師を招聘し、製造に必要な機器を輸入し、当時高級品であった「船来」ビールに匹敵する本格派ビールの開発・製造を試みます。
そして、1890年にこの恵比寿の地にあった醸造所で誕生して以来、100年以上の時を生き続けている息の長いブランドが、このヱビスビールです。
このビールの生誕120年であった2010年に、生誕の地である恵比寿ガーデンプレイス内に、ヱビスビール記念館がオープンしました。
この記念館には、いくつかの見どころがあります。
まず、ヱビスギャラリーでは、美味しい本格ビール造りを探求し、また日本におけるビール文化を築き上げるパイオニアであったヱビスビールの歩みを見ていくことができます。
誕生してすぐの20世紀初め頃に、早くも世界の万博でも賞を受賞し、世界でも認められたブランドになったこと。
そして、ヱビスビールを擁する日本麦酒醸造会社は、日本で初めてビアホールを開業したこと。これにより、大衆のビール文化の促進に寄与しました。
また20世紀初め、日本らしさを保ちながらもヨーロッパの影響を受け始めた様子が伺える、ある種アートのような広告ポスターの数々。
第二次大戦中にビールが配給品となり、ブランドが一時消えたり、原材料不足により製造が一時途絶えた、ヱビスビール苦難の時代を乗り越えて、復刻してから現在までの製品の変遷。
ヱビスビールファンにとっては、たまらない展示品の数々です。
またヱビスビールの主要ブランド専用のビールグラスや、その他のオリジナルグッズが購入できるミュージアムショップも併設されています。自宅でヱビスビールを飲む際に、ぜひとも使いたい品もあり、ついついお財布の紐が緩んでしまいそうです。
そして最後は、テイスティングサロンにて、ちょっとしたおつまみを片手に、新鮮なヱビスビールを試飲することをお忘れなく。
なお、記念館内は自由に無料で周ることもできますが、折角訪れたからには、所要時間約40分で、2種類のテイスティング付きの見学ツアー(500円)に参加してみてもよいかもしれません。
ビールが好きな方は、ぜひ一度、このヱビスビール記念館をまわってみてはいかがでしょうか?
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