ビーチだけじゃない!南仏コート・ダジュールの中心、「リヴィエラの女王」ニースの魅力
|快晴の空のように真っ青な海が続く、「紺碧海岸」の意味をもつ南フランスのコート・ダジュール地方。その中心都市が「リヴィエラの女王」とも称されるニースです。
マティスやシャガールといった芸術家までもが魅せられたニースの街を歩いてみましょう。
世界に名を馳せる高級リゾートとしてのニースを象徴するのが、全長3.5キロの海岸沿いの大通り、プロムナード・デザングレ。「イギリス人の遊歩道」という意味で、1830年にニース在住イギリス人の出資により造られたためにこの名が付きました。
片側には碧い海、そしてもう片側にはトロピカルなムード満点のシュロの木を挟んで、ニースを代表する高級ホテルが立ち並びます。
19世紀末から第一次世界大戦前までの「ベルエポック(よき時代)」と呼ばれた時代、コート・ダジュールは避寒のために訪れた北ヨーロッパの王侯貴族の社交の舞台となりました。彼らが建てた豪華な別荘の中には、現在はホテルとして利用されているものもあります。
その代表格が、ニースのプロムナード・デ・サングレに建つ、1913年開業の高級ホテル「ネグレスコ」。
プロムナード・デザングレのランドマークとして、堂々たる風格を放っています。
さんさんと降り注ぐニースの太陽の下、海を臨む開放感あふれる遊歩道を歩けば、一瞬で非日常の世界へ!
一方、高級リゾートの印象が強い海沿いから、旧市街に一歩足を踏み入れると、庶民的な下町の雰囲気を残すニースの違った表情が見えてきます。
ニースはかつてイタリアの王国の支配下にあったことから、旧市街にはカラフルなイタリア風の街並みが残っています。旧市街でもっともにぎわうサレルヤ広場には、毎日朝市や花市が立ち、観光客や地元の人々でにぎわいます。
筆者が訪れたときは、週一回開かれるアンティーク市が開催されており、大盛況。古いポスターやアンティークの食器をはじめ、珍しい品物が勢ぞろいしていて、見て回るだけでも楽しめます。
細く入り組んだ路地が迷路のように張り巡らされたニースの旧市街は、「この先には何があるんだろう」という好奇心と冒険心を掻き立てます。
歴史的建造物、石鹸やラベンダー製品などの南フランスの名産品を売るショップ、こじんまりとしたカフェやレストランがあちこちに立ち並ぶ旧市街は、どこか中東のメディナを彷彿とさせるような、エキゾチックな魅力にあふれています。
ニースの中心地、マセナ広場も見逃せません。広場を囲むピンク色の建物と青い空とのコントラストがなんとも爽快。
マセナ広場の東には、12ヘクタールもの敷地をもつ、プロムナード・デュ・パイヨンが広がっています。街の中心にこれほど広大な公園が広がっていることが、ニースが心の豊かさを大切にする都市であることを物語っているかのようです。
公園から見える色とりどりの建物も美しく、子どもたちが楽しそうに遊ぶ様子を眺めながら、のんびりと歩きたくなります。
ビーチリゾートのイメージが強いニースですが、多彩な歴史的建造物が残っており、街歩きも十分楽しめます。アートに興味があるなら、マティス美術館やシャガール美術館などに足を運んで、「アートの街ニース」を堪能するのもおすすめ。
ビーチあり、旧市街あり、アートあり。ニースは、訪れる人それぞれの興味に合わせて多様な過ごし方が見つかる懐の深い街なのです。
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