リスボンの絶景を望む、海の玄関口に立つ「勝利のアーチ」にのぼってみよう

ユーラシア大陸最西端に位置するポルトガル。首都リスボンは15~17世紀の大航海時代に栄華を極めた華やかな歴史をもつ街です。

かつて数多くの冒険者たちを送り出してきた、テージョ川に面したリスボンの海の玄関口がコメルシオ広場。1755年のリスボン大地震で破壊されたマヌエル1世の宮殿があったことから、「テレイロ・ド・パソ(宮殿広場)」とも呼ばれます。

テージョ川に面した開放感あるロケーションから、いつも多くの観光客や地元の人々でにぎわっています。中央に立つのは、18世紀の彫刻家マシャード・デ・カステロ作のドン・ジョセ1世の騎馬像。

そして、コメルシオ広場とアウグスタ通りの境にあるのが勝利のアーチです。

アーチの頂上には勝利の女神像が立ち、その下にはポルトガル王室の紋章が彫られています。

紋章の左右にはインドへ遠征した探検家ヴァスコ・ダ・ガマと、リスボン大地震後の復興の立役者、ポンバル伯爵の像が飾られています。

反対側、アウグスタ通りから勝利のアーチを見てみると、時計が目に入ります。勝利のアーチは時計塔としての役割も果たしているのですね。

この時計は、1941年にポルトガルでつくられたもので、勝利のアーチ内部からその構造を見ることができます。

勝利のアーチの上は展望台になっていて、最上部からは360度のパノラマが広がります。下からは小さく見えた像も、この通りの大きさ。

アーチの上に立つ像が向いているのは、海のように雄大なテージョ川。

ボートや客船がゆったりと行き交う姿を見ていると、今も昔も変わらない、悠久の時の流れが感じられます。

河口から市街の方に目を向けると、イスラム支配時代の面影をとどめる、リスボンで最も古い街並みを残すアルファマ地区が見えます。

モスクの跡地に建てられた大聖堂、カテドラルが建物のあいだから顔をのぞかせています。坂に沿ってオレンジ屋根の建物が並んでいる光景がノスタルジックですね。

もう少し後方に目をやると、リスボンの街を見下ろす丘の上にサン・ジョルジェ城がそびえています。

ユリウス・カエサルの時代にローマ人の手によって要塞化された古い歴史をもつ城で、現在は城壁など一部が残っているにすぎませんが、ここからの絶景は一見の価値あり。

テージョ川の反対側には、リスボンのへそ、ロシオ広場へと続くアウグスタ通りが見えます。真っすぐに延びた通りから、計画的に街が整備された様子が見て取れますね。

リスボンのビュースポットといえば、サン・ジョルジェ城やサンタ・ジュスタのエレベーターが定番ですが、テージョ川がすぐ目の前に広がる開放感ある眺望は勝利のアーチならでは。

また、高すぎない場所にあるので、街の活気がそのままに感じられるのも魅力です。夕暮れ時はとりわけ素晴らしい景色が望めるのだとか。

リスボンを訪れたら、勝利のアーチの展望台から街のエネルギーを感じとってみてはいかがでしょうか。

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