華麗なる装飾は圧巻!シンガポール最古の中国寺院「シアン・ホッケン寺院」にお参り

東南アジア随一の近代都市国家シンガポール。多民族国家として知られるシンガポールですが、人口のおよそ75パーセントは中国系。シンガポールの人々にとって、やはり中国文化は大きな意味を持っているのです。

シンガポール最古の中国寺院として知られるのが、シアン・ホッケン寺院(Thian Hock Keng Temple)。

歴史が香るテロック・エア・ストリートに位置しており、チャイナタウン駅からはやや離れていますが、きらびやかな伽藍と、しっとりと落ち着いた雰囲気はいかにも「東洋の美」といった趣。

シンガポールを訪れる外国人観光客にも人気の高い、チャイナタウン散策でぜひ足をのばしたいスポットです。

シアン・ホッケン寺院は、「ホッケン」の名前の由来にもなっている、中国福建省出身の華人たちによって1841年に建てられた道教寺院。

中国から神像や彫刻を運び、中国の南方地方の伝統技術を用いて建てられました。主構造には一切釘を使わず、鉄と木の柱で全体を支えています。

1973年にはシンガポールの国有記念物(重要文化財)に指定。さらに2001年には、ユネスコ・アジア太平洋文化遺産の重要文化財に登録されるなど、その歴史的・建築的価値は高く評価されています。

シンガポール最古の中国寺院というだけあって、その厳かな風情は格別。近年新しく建てられた寺院にはない、深い味わいがあります。

シアン・ホッケン寺院に祀られているのは、航海の守護神である天后聖母。寺院が建つテロック・エア・ストリートは、昔の海岸通りで、かつては多くの船乗りたちがここで航海の安全を祈ってから船出したのだとか。

一日中お香が焚かれている境内では、今でも航海や漁業関係者に限らず、熱心に祈りを捧げる中国系シンガポール人の姿が後を絶ちません。

中国寺院としてはけばけばしさが抑えられた寺院には、日本の「わび・さび」にも似た趣を感じます。

その一方で、赤い提灯、金色の彫刻などには中国寺院らしい華やかさが見られます。柱や屋根に施された彫刻は、目を見張るほどの細やかさと美しさ。

170年以上にわたって、中国系シンガポール人のよりどころとなってきた貫禄が感じられます。

寺院の周囲を見渡すと、シンガポールらしい高層ビルの数々。歴史を感じさせる寺院と、近代的な高層ビルとのコントラストが鮮烈です。

周囲の風景は、寺院が建設された170年前と大きく変わりました。それでもなお、シアン・ホッケン寺院は中国系シンガポール人の生活のなかにあり続けているのです。

美しいショップハウスが並ぶテロック・エア・ストリートには、、イスラム寺院「ナゴール・ダルガー寺院」や「アル・アブラー・モスク」が建っています。

シアン・ホッケン寺院を訪れたら、異文化が共存するシンガポールらしいテロック・エア・ストリートの風景とともに、街歩きを楽しんではいかがでしょうか。

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「シアン・ホッケン寺院(Thian Hock Keng Temple)」
住所:168 Terock Ayer St.
電話:(+65) 6423-4616
拝観時間:7:30~17:30