【世界の市場】元飛行船の格納庫、ラトビア・リガにある世界遺産の巨大市場「中央市場」を歩く

「バルト海の真珠」と称されるラトビアの首都・リガ。その旧市街と新市街は「リガ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

リガ観光の中心となるのは中世の面影を残す旧市街ですが、新市街にも見逃せないスポットがあります。

そのひとつが、ダウガヴァ川の向かい、バスターミナルや鉄道駅にもほど近い中央市場。この市場も、世界遺産「リガ歴史地区」の登録範囲に含まれているのです。

リガの台所を支える中央市場は、毎日8~10万人が訪れるという東ヨーロッパ最大級の巨大市場。食品はもちろんのこと、日用品、衣料品まで、取扱い品は多岐にわたり、日常生活に必要なものならなんでも買えるといっても過言ではありません。

近代的なスーパーマーケットが普及した現在でも、いつも地元の人々でにぎわう中央市場は、都会に暮らす庶民のエネルギーに満ちています。

外観の特徴は、広大な敷地に、肉や魚、乳製品などを売る店が入った大きなドームが5つ並んでいること。

これらは20世紀はじめに建てられたもので、当時のヨーロッパでは異例の大きさと設備を備えた先進的な市場でした。

なぜこれほどまでに大きな市場を造ったのか。それは、当時ラトビア領内にあった、ドイツのツェッペリン飛行船の格納庫が移築されて使われたからなのです。飛行船の格納庫だったとなれば、その巨大さも納得ですね。

旧市街から歩いてダウガヴァ川を越えると、屋外市場で色とりどりの野菜や果物が売り買いされているのが目に入ります。

ここで特に注目したいのがベリー類。果物なら旅行中でも気軽に食べることができるので、試し買いにおすすめです。

表示されているのは、1キロ単位の値段。1キロ200円程度から買うことができ、苺だけをとってみても、数十人の売り手が見た目も値段もさまざまの品を売っています。

中央市場は小さな個人商店の集合体。同じものでも扱うお店がたくさんあって、どこで買おうか迷ってしまいます。品質と値段のバランスを見ながらいかに上手に買い物ができるか、市場ならではの体験を楽しんでください。

屋外市場を散策したら、ドームのひとつに入ってみましょう。こちらはお肉のコーナー。

肉料理がよく食卓にのぼるラトビアだけあって、そのラインナップは充実しています。大きな肉のかたまり、豚の頭、豚足、内臓、巨大なベーコンやソーセージまで、多種多様な品揃えで、ドーム内は肉のにおいが充満しています。

その場で豪快に切り落とされる肉のかたまりに、宣伝用なのか壁に掲げられた豚の頭・・・こうした光景が苦手な人には、少々刺激が強いかもしれません。

ところ変わって、こちらのドームには、魚介類がところ狭しと並んでいます。

内陸国の多いヨーロッパでは、「肉は充実しているものの、魚介類の品揃えはいまひとつ」ということも少なくありませんが、ここは港町・リガ。

イカやイクラなど、日本人には馴染みがあるものの、ヨーロッパ全体として見ればあまり一般的でない海産物や、日本人から見ても珍しい海産物がずらりと並んでいます。

魚も、一匹まるごとから切り身、さらには燻製にしたものまで選択肢が豊富。容器に魚を立てて売るとは・・・日本ではあまり見かけない斬新な陳列法です。

こちらのドームでは、乳製品やパン、お菓子、お惣菜などが売られています。

乳製品が豊富なラトビアだけあって、チーズだけでも驚くほどの種類があります。

さすがは庶民の台所。クッキーやケーキなどのお菓子も激安で、ケーキ一切れは100円を切っています。

通常ケーキは1個単位、クッキーやビスケットなどはグラム単位で購入できるので、少し買ってみて味見してみるのも楽しいですよ。

さまざまなモノと人がひしめき合う中央市場を歩いていると、「迷宮」という言葉が浮かんできます。というのも、この市場はここでは紹介しきれないほど、たくさんのモノであふれかえっているのです。

珍しいピクルスやお惣菜に、ラトビア土産の木工製品、さらには医薬品や衣料品、本まで庶民の生活を支える品々が一堂に会した光景は圧巻。

生活感みなぎる中央市場を訪ねれば、美しく整えられた旧市街とはまた違ったリガの魅力にはまるに違いありません。

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名前 リガ中央市場
住所 Nēģu iela 7, Rīga, LV-1050
電話 +371 67229985
営業時間 月~土 8:00~18:00、日 8:00~17:00