【世界の街角】ブルガリアの古都ヴェリコ・タルノヴォの伝統が息づく職人街「サモヴォドスカ・チャルシャ」を歩く
|ブルガリア人にも人気の観光地、ブルガリアの古都ヴェリコ・タルノヴォ。1187年から1393年にかけて第2次ブルガリア帝国の都が置かれ、バルカン半島の文化の中心地として繁栄しました。
周囲を蛇行するヤントラ川と豊かな森に囲まれ、崖の上に古い民家が連なるヴェリコ・タルノヴォは、ぶらぶら歩きが楽しい町。なかでも見逃せないスポットのひとつが、ステファン・スタンボロフ通りの北側に広がる職人街「サモヴォドスカ・チャルシャ」です。
「チャルシャ」とは「市場」の意味で、ここには古くから営む陶器や金銀細工、革製品、絵画などの小さな店が軒を連ねています。
石畳の道の両側に伝統的な建物が並ぶ光景は趣たっぷり。まるで昔にタイムスリップしたかのような、旧市街のなかでもひときわ絵になる町並みです。
職人街だけあって、なにげない風景もアーティスティック。
アンティークショップなどもあり、歩いているだけで楽しい通りです。
多くの店が工房を兼ねていて、ヴェリコ・タルノヴォの伝統を受け継いできた職人たちが制作にあたる姿を見ることができます。
第2次ブルガリア帝国時代から伝わるスグラッフィート陶器の工房。焼く前の素地を引っかいて模様が付けられる陶器で、一つひとつ職人が手作業でデザインしています。
こちらが完成品。実際に制作現場を見た後では、品物に対する感動もひとしおです。
銀細工の工房では、驚くほど繊細な細工が施されたブレスレットを制作する様子を見せてくれました。
刀剣の工房では、将来を担う若い職人が活躍中。
ほかにも、東方正教会に欠かせないイコンの店や銅製品の店、木工細工の店など、さまざまなお店があり、ヴェリコ・タルノヴォに息づく伝統と文化が感じられます。
作業風景の写真撮影を許可してくれたり、作品や制作方法について色々と教えてくれたりするお店もありますので、職人やアーティストたちと積極的にコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。
伝統工芸品だけでなく、現代の感覚を取り入れた手作りのアクセサリーやガラス細工、ハンドペイントのポストカードなどを売るお店もあり、お土産探しにもぴったり。
首都ソフィアのほうがお店は充実しているのではないかと思いがちですが、案外そうでもありません。ソフィアには、意外とおしゃれな土産物屋は少なく、どこも似たり寄ったりのラインナップ。
手作りの味が感じられる伝統工芸品や、おしゃれな雑貨を買うなら、断然ここサモヴォドスカ・チャルシャで購入するのがおすすめです。
実際に制作にあたった職人やアーティストの顔が見えていれば、品物への愛着が湧いてきますよね。
歩くだけでも楽しいサモヴォドスカ・チャルシャですが、ここで出会ったお気に入りを持ち帰れば、旅の思い出がいっそう深まることでしょう。
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