【暮らすように旅するアメリカ】マンハッタンの摩天楼とアートの街ブルックリンを結ぶ「ブルックリン・ブリッジ(Brooklyn Bridge)」を散歩する
|人種の坩堝(るつぼ)と言われるほど、多種多様な民族が混在して暮らしている大都市アメリカ・ニューヨーク。
ニューヨークは、いまや、世界の経済、金融、文化、交通、メディア、娯楽、観光などの中心的な都市といっても過言ではないでしょう。
現在のニューヨーク市は、中心地となる島「マンハッタン」と川で隔てられた周辺の「スタテンアイランド」「ブルックリン」「クイーンズ」「ブロンクス」の合計5つの区域で成り立っています。
ニューヨークの中心にあるマンハッタン島には国際連合の本部ほか数々の国際機関が集積し、世界経済に大きな影響力を持つ中心街となっています。
マンハッタン島の対岸に位置するブルックリン地区は高層の建物が少なく、現在では新鋭デザイナーやアーティストが相次いで拠点を構え、流行の発祥地と呼ばれるアート色溢れた地域となっています。
そんな世界の中心であるマンハッタンとブルックリンの間には3本の橋が渡っており、その中でも最も南に位置し、最も美しいと言われているのが、数々の有名な映画にも登場している「ブルックリン・ブリッジ」です。
全長1834メートルもあるこの橋は、アメリカで最も古い吊り橋の一つであり、19世紀に世界で初めて鋼鉄製のワイヤーを使用した橋として建造されました。
現在では、約12万台の車、4000人の歩行者、2600人のサイクリストが日々通行している、ニューヨークで生活する人にとって、欠かせない大動脈の1つです。
またこの橋は「アメリカ合衆国国定歴史建造物」にもなってり、マンハッタンの絶景を見られるスポットとして、ニューヨークを訪れた観光客にも人気の観光スポットとなっています。
そんなブルックリンブリッジの建造には様々な歴史があります。
この橋は、1867年4月、アメリカンドリームを夢見てアメリカにやってきたドイツ系移民のジョン・A・ローブリングによって設計が開始されました。
しかしながら、橋の着工開始をまたず、ジョンはこの世を去ります。
そのため、ジョンの息子のワシントンが意思を引き継ぎ建設を続けたのですが、工事中の事故により体に障害を受けてしまいます。
そこで今度は、ワシントンを介護していたの妻・エミリーが、独学で技術を学び、現場とワシントンの意思疎通をはかり、約10年もの間、土木技術者として現場で指揮を果たし、橋を完成に導いたのです。
この橋の完成までには14年の歳月がかかり、その建設途中には27人もの作業員が事故によってなくなってしまいます。また、事業資金の枯渇、工事の一時中断など、様々な困難に立ち向かわなければならない場面が多々あったそうです。
橋の完成後、下半身を麻痺してしまい声を出すこともままならず難聴にまで悩まされたワシントンはブルックリンハイツの家から出ることができず、妻エミリーに先立たれてから89歳で亡くなるまでの間、自宅の窓から望遠鏡で橋の建設を見守り続けたと言います。
そんなローブリング親子による偉業の証ブルックリン・ブリッジは、ニューヨークだけではなくアメリカを象徴する土木構造物として世界中の誰もが知る存在となりました。
ニューヨークを舞台にしたアメリカのロマンティックコメディ映画「ニューヨークの恋人」では、ちょうどこの橋の横が「時空の切れ目」という役目を果たしています。
またり世界的に大ヒットした映画「サタデーナイトフィーバー」では、主演のジョン・トラボルタのダンスパートナーが引越しをする際に、ブルックリンからマンハッタンへ渡るシーンで、この橋をみることができます。
マンハッタン側からブルックリン・ブリッジを渡り切った先にある「ブルックリン・ブリッジ・パーク」からはブルックリン・ブリッジとマンハッタンが一望できる上に、2011年に建設されたばかりのガラス箱に入ったヴィンテージのメリーゴーランド(ブルックリン・ジェーンズ・カルーセル)を楽しむこともできます。
ニューヨークを訪れた際には「ブルックリン・ブリッジ」でイースト・リバーの風に吹かれながら、ニューヨークの摩天楼を展望してみてはいかがでしょうか。
そこにはニューヨークの歴史をみつづけた橋と、その橋を行き交うニューヨークに暮らす人々の、いつもの日常があり、そしてそのいつもの日常の中を旅するという旅の醍醐味があるに違いありません。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
名前 Brooklyn Bridge(ブルックリン・ブリッジ)
住所 Brooklyn Bridge, New York, NY 10038, アメリカ合衆国
名前 Jane’s Carousel(ジェーンズ・カルーセル)
住所 Brooklyn Bridge Park, Brooklyn, NY, アメリカ合衆国
電話 +1 718-222-2502
営業時間 11:00am〜19:00pm
チケット 2ドル※3歳以下のお子様(または106cm未満の子供)は、大人の保護者と同伴される場合、無料でご利用いただけます。)
ホームページ http://janescarousel.com