2000年以上もの歴史を誇る町ドイツ・トリーアの「かわいい」を探す旅

2000年以上もの歴史を誇り、ドイツ最古の町としても知られるトリーア。

ヨーロッパ進出の拠点として紀元前16年にローマ人が築いた植民土地「アウグスタ・トレヴェロールム」を発祥に、その後もこの地を治めた大司教や選帝侯、そして市民らの力により町は発展を遂げました。

そんなトリーアの歴史を私達に語ってくれるのが、町に点在するローマ遺跡群や、トリーア大聖堂をはじめとする中世の建造物。世界遺産に登録されているこれら歴史的建造物は、決して安泰ではなかった町の歴史を物語るとともに、見る者に深い感銘を与えてくれます。

と、ここまで読まれた皆さんはトリーアについてどんなイメージを持たれたでしょうか?「遺跡」や「歴史」といったキーワードからは、この町についてお堅いイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかしトリーアの町を歩いていると、目に飛び込んでくるのは「お堅い」イメージとは正反対ともいえるキュートな要素の数々。今回はそんなトリーアで出会える可愛い物や建物を紹介します。

まず紹介するのは、トリーア観光で何度も通るであろうマルクト広場。広場を囲んでカラフル家々が並ぶ姿は、まさに「キュート」のひとことです。

全体的には可愛さが際立っていますが、細部をよく見るとファサードや窓枠にどこか大人びた装飾がされている建物も。

優雅に見える噴水も、よくよく見てみるとどことなくお茶目な天使がたくさん。

広場を囲む建物の中でもとりわけ目を引くのが、写真左に写る白い建物「シュタイぺ」。50年の歳月を費やして1483年に完成し、町の市庁舎のような役割を果たしていました。その形といい、まるで絵本のなかに描かれている町のランドマークそのもの。

マルクト広場から伸びるシメオン通りにも可愛らしい家々が並び、観光ハイライトのひとつである「ポルタ・二グラ」まで続きます。一見すると正反対とも思えるメルヘン的要素と
と「お堅い」イメージの遺跡。この2つがうまく融合しているのも、この町の特徴といえるでしょう。

さて、トリーア出身の有名人と言えば、哲学者、思想家、経済学者など様々な肩書をもつカール・マルクス。従来の経済論への批判や再構築から生まれた彼の集大成「資本論」については、授業で扱ったことがある方も多いでしょう。

今年2018年はマルクス生誕200年。5月には中国の芸術家から巨大なマルクス像が贈られたほか、マルクス関連の展示が各地で行われるなど、トリーアはマルクスムードに包まれています。

この町にゆかりはあるものの、「可愛い」とは無縁に思えるマルクス。そんな彼もトリーアではキュートなマスコットに変身。

お土産屋さんでは可愛らしいマルクスグッズが売られ、つい手に取ってみたくなります。

歴史ある街並みのいたるところに可愛い要素が見つかるトリーア。すこし視点を変えてみれば、町の見え方も大きく変わるのだという事を思い知らされます。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

協力:ドイツ観光局