札幌市中央区中島公園にある白とブルーの美しい西洋館「豊平館(ほうへいかん)」
|北海道札幌市中央区の中島公園にある、白い下見板にウルトラマリンブルーを使用した枠まわりの美しい外観の西洋館、「豊平館(ほうへいかん)」。
北海道開拓の礎を築いた開拓使が、洋風ホテルとして明治13年11月に建築し、明治天皇北海道行幸の行在所となった明治14年8月30日に開館しました。
アメリカの建築様式の影響を受けた明治初期のホテル建築の貴重な遺構であり、明治政府が建てた唯一のホテルでもある豊平館は、昭和39年には国の重要文化財にしていされています。
当初は現在の札幌市中央区北1条西1丁目(テレビ塔の近く)に建てられ、明治・大正・昭和の3代に渡り使われてきましたが、昭和33年に中島公園内の現在地に移築されました。
建物はシンメトリー(左右対称)を意識して作られており、そのためにダミーの煙突を取り付けるなどの工夫もされているとか。正面中央の棟飾りなどに開拓使のシンボルである赤い五綾星があしらわれています。
この豊平館は、毎月第2火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)と年末年始を除く毎日9:00~17:00の間、一般公開されており、誰でも観覧可能です。観覧料は個人300円、中学生以下は無料。
豊平館は2階建てになっており、1階ホールから階段で2階へ上がれます。
2階の広間は、前室を含めると約172㎡あり、豊平館では最も大きな部屋です。天井中心飾りも2つあり、モチーフには「紅葉」と「大菊」が用いられています。
1881年(明治14年)の明治天皇行幸の際には謁見所として使用されました。
ガス灯として作られたシャンデリアは、管のガスを止めるためのコックがついていますが、実際にはろうそくが灯されたそうです。
室内に設置されたタブレット端末では、当時の舞踏会の様子を映し出して見ることができます。
2階のほかのお部屋も見てみましょう。「ウメ」は天皇御在所として利用されたころの室内環境を再現したお部屋。
続き間の「ウメ寝間」には、当時の客室の雰囲気を感じられるよう、家具・備品が展示されています。当時は水道がなかったため、ボーイさんが水差しでお水を運んできて、室内の洗面器で洗顔をされたとか。
「ツバキ」は改修前は結婚式場として使用されていたお部屋です。建築としての見どころや改修記録などの映像を見ることができます。
そのほか、「シャクヤク」「ムラサキ」「ムラサキ寝間」などのお部屋も見学可能です。
1階の「会食所」はカフェコーナーとなっており、コーヒーやクッキー(有料)をいただくことができます。雰囲気たっぷりの明治の洋館でコーヒーをいただけば、きっと優雅な気分になれることでしょう。
豊平館には無料で館内を案内してくださるボランティアガイドの方がいるので、タイミングが合えば、案内をお願いしてみるのがおすすめです。
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名称 国指定重要文化財 豊平館
住所 北海道札幌市中央区中島公園1番20号
最寄駅 地下鉄南北線「中島公園」駅(徒歩5分)、市電「中島公園通」駅(徒歩5分)
観覧時間 9:00~17:00(観覧受付16:30まで)
休館日 毎月第2火曜(火曜日が祝日の場合はその翌日)と、12月29日から翌年1月3日まで
公式サイト http://www.s-hoheikan.jp/