【コロナ後に行きたい世界遺産】幻想世界に息を呑むドイツ・アーヘン大聖堂
|新型コロナウイルス感染拡大により、海外旅行はおろか、日常の外出すらも制限される日々。
旅好き・お出かけ好きの人は、自由に出かけられないことに対し、ストレスやフラストレーションを抱えて毎日を過ごされているのではないでしょうか。
しかし、こういった毎日もいつかは終わりが来ます。また自由に海外旅行が楽しめるようになるその日まで、今はしばしの脳内トラベルを楽しみましょう。
世界にはまだ見ぬ風景がいっぱい!「コロナ後」に行きたい世界遺産として、今回はドイツの世界遺産第一号、アーヘン大聖堂をご紹介します。
「ドイツの世界遺産」といえば、ケルン大聖堂を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、ドイツには有名なケルン大聖堂以外にも、世界遺産に登録されている聖堂や教会がたくさんあります。
なかでもドイツの歴史上重要なのが、今回ご紹介するアーヘン大聖堂。アーヘン大聖堂は、ベルギーとの国境にほど近い西ドイツの温泉町・アーヘンの代名詞的存在で、1978年に世界遺産に登録されました。
1978年は、ユネスコの「世界遺産」が始まった年。つまり、アーヘン大聖堂はドイツ初の世界遺産であるばかりか、世界初の世界遺産のひとつでもあるのです。アーヘン大聖堂が真っ先に世界遺産に登録されたという事実からも、この大聖堂がいかに特別な歴史的建造物であるかがわかるというものです。
アーヘン大聖堂は、北部ヨーロッパ最古の聖堂。790年ごろから800年ごろにかけて、フランク王であり初代神聖ローマ皇帝とも見なされるカール大帝によって建設されました。
もともとは小さな礼拝堂でしたが、のちの増築によりビザンティン様式や、古典主義様式、ロマネスク様式など、さまざまな建築様式の要素が融合した現在の姿となっています。
アーヘン大聖堂が歴史上重要な意味をもつ理由。
そのひとつに、600年の長きにわたり、30人以上の神聖ローマ皇帝がここで戴冠したことが挙げられます。歴代皇帝の戴冠式が行われ、カール大帝の墓所にもなっていることから、アーヘン大聖堂は「皇帝の大聖堂」とも呼ばれているのです。
見る角度によって大きく印象を変える外観は、実に複雑。力強さと華やかさを併せ持つそのたたずまいは、「ドイツ初の世界遺産」の称号にふさわしい貫禄に満ちています。
アーヘン大聖堂は、外観のみならず、内部もきわめて特徴的。
現在のドイツには、ロマネスク様式の聖堂やゴシック様式の聖堂や教会が数多く残されていますが、ゴシック様式が確立されるよりも前に建てられただけあって、アーヘン大聖堂からはほかの大多数のドイツの聖堂や教会とはまったく異なる印象を受けるのです。
黄金のモザイクで彩られた高い天井に、ビザンティン文化の影響が強く感じられるアーチやモザイク…「ドイツの大聖堂」のイメージを覆すような、オリエンタルな香りのする壮麗な空間に息を呑みます。
天井や壁面を多く黄金のモザイク画は、驚くほど精緻。その繊細さと鮮やかさは、ずっと眺めていたくなるほどです。
カール大帝の即位600年を記念して、増築された「ガラスの家」と呼ばれる礼拝堂にも注目。
高さ約25.6メートル、総面積1000平方メートルを超えるステンドグラスが埋め込まれており、ほの暗い空間の中で、まばゆいきらめきを見せるステンドグラスは、吸い込まれてしまいそうな美しさです。
細部まで見れば見るほど印象的で、忘れられない魅力を放つアーヘン大聖堂。
ちなみに、ケルンとアーヘンは、ICEでわずか35分の距離。西ドイツを訪れたら、ドイツを代表する2つの世界遺産の大聖堂を見比べてみてはいかがでしょうか。
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