まるで国中が無礼講、オランダの王様の日を体験してみよう!

オランダでは、国中が「オレンジ色で染まる」タイミングが2つほどあります。

1つは、サッカーのワールドカップやヨーロッパカップでオランダ代表チームが試合をする日。町中のお店・レストランは、オレンジ色の垂れ幕・お花などで鮮やかに彩どられます。

また、代表チームのオレンジ色のレプリカユニフォームやオレンジ色のワンピースを着たり、オレンジ色の帽子やマフラーなどのアクセサリーを身に着けた人々で、町は溢れかえります。

そしてもう1つが、毎年4月27日の「王様の日」。(4月27日が日曜日と重なった場合は、1日ずれます)

オランダは、オラニエ=ナッサウ家のウィレム・アレキサンダー国王を元首とする立憲君主制のオランダ王国のうちの1つです。

17世紀のスペインとの八十年戦争を経て、オランダの独立・発展に大きく貢献したことが認められ、代々オランダ総督を務めてきたオラニエ=ナッサウ家。19世紀初めにオランダ王国が発足した際に、国王家となりました。

現在も国の維持・発展のため、熱心に女王・国王が動かれていることもあり、80%以上のオランダ国民が好意的に評価しているとの世論調査結果が示す通り、とても人気のロイヤルファミリーです。

ちなみに、ウィレム・アレキサンダー国王の即位式には、日本の皇太子様・雅子様がご参列されたり、昨秋には国王夫妻が天皇陛下・皇后陛下をお訪ねになるなど、定期的な交流もあり、オラニエ=ナッサウ家と日本の皇室家はとてもよい関係を築かれています。

さて、現在の7代目になるウィレム・アレキサンダー国王は、2013年に母である前代ベアトリクス女王(現王女)より王位を引継ぎました。そしてこの王位継承に伴い、「女王様・王様の日」も日にちを変えて引き継がれました。

元々の起源は、1885年「国の結束力を高める」という目的で、当時のウィルヘルミナ王女の5歳のお誕生日を「プリンセスディ」としてお祝いしたことと言われています。その後、代々の女王様たちが「女王の日」を制定し、国民の休日として定着していきました。

現在のウィレム・アレキサンダー国王は、彼の誕生日である4月27日に日を変えて、「王様の日」としました。

当日は、オランダ代表の試合がある日と同様に、町中オラニエ=ナッサウ家のシンボルカラー「オレンジ色」で溢れかえります。そして人々は、様々な形で「王様の日」をお祝いします。

1つはフリーマーケット。この日は、特別な許可を得なくても、路上で売り買いをしてもよいことになっています。大人たちも子供たちも、公園や路上にピクニックシートなどを広げ、家にあった中古品、ハンドメイドの手芸品、自分で焼いたお菓子などを並べ、楽しそうに売り買いしています。

またアムステルダムなどの大都市では、町全体が大きな祭場かのような盛り上がりをみせます。

道行く人々は、オレンジ色の洋服や装飾品に身を包み、ビールを飲みながら歩いています。また運河のあちこちで、ボートが漂っています。ボート上では、大音量で音楽を鳴らし、アルコールを飲みながら踊っている人たちも!

アルコールが入っているために、少し騒がしくなる出来事もあり、街角には馬に乗った警察官が配置されていることもあります。

国や文化が違えば、君主のお祝いの仕方・許容範囲もここまで違うのかと驚くほどです。

もし4月下旬にヨーロッパを旅することがある場合には、オランダに足を伸ばし、オランダの「王様の日」、体験してみてはいかがでしょうか?

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