「北のジブラルタル」と呼ばれる世界遺産の要塞都市、ルクセンブルクの旧市街を歩く

その周囲をフランス、ドイツ、ベルギーの三国に囲まれたヨーロッパの小国、ルクセンブルク。日本ではあまり馴染みがありませんが、一人あたりのGDP(国内総生産)が世界一を誇る世界屈指の富裕国です。

さらに、ロンドンに次ぐヨーロッパの金融センターを有していて、小国ながらその存在感は決して小さくありませせん。

首都のルクセンブルク市は、「北のジブラルタル」の異名をとる堅固な要塞都市。岩山と水路を利用した天然の要塞機能をさらに強化し、長きにわたって難航不落とされた城砦が築かれました。

国際機関が集まる近代的な高層ビルが並ぶ新市街と、城壁に沿った旧市街というまったく異なる2つの顔をもつユニークな街で、丘の上にある旧市街と要塞は「ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群」の名で、世界遺産に登録されています。

旧市街のランドマークが、端正な尖塔が印象的なノートルダム寺院。17世紀に建てられたイエズス会の教会で、現在見られるのは1935~1938年にかけて再建された姿です。

周辺の大国からの干渉を受けてきたルクセンブルクらしく、ルネッサンス、ゴシック、バロックなど、さまざまな建築様式が混在した巨大な教会。

ジャン前ルクセンブルク大公とベルギーの前王女であるジョセフィーヌ・シャルロットの婚礼が行われたことでも知られ、まばゆいステンドグラスや、精緻な彫刻で彩られた空間が印象的です。

ノートルダム寺院のすぐ近くには、市庁舎が建つギョーム広場が。

周囲にカフェやレストランが並ぶこの広場は、アンティーク市などのイベントが開催される日にはひときわ多くの人々でにぎわいます。世界屈指の富裕国でありながら、意外なほどに親しみやすい下町的な雰囲気が感じられることでしょう。

ギョーム広場から50メートルほど東に進めば、ルクセンブルクを統治する大公の執務室兼迎賓館として使われている大公宮が目に入ります。

スペイン・ルネッサンスの影響を受けて15世紀に建てられた宮殿で、かつては市庁舎として使われていました。夏には内部を見学できるツアーが開催されます。

ダルム広場の北にある通り「Grand’ Rue」周辺は、さまざまなブティックが軒を連ねるショッピングストリート。

さすがお金持ちの国だけあって、ルイ・ヴィトンなど世界に名だたる高級ブランドのショップがある一方で、H&MやZARAといったファストファッションのお店も並んでいます。豊かな国らしい落ち着いた雰囲気と、気取らない雰囲気を併せもつところがルクセンブルクの魅力といえるでしょう。

さて、ルクセンブルクでの一番のお楽しみが、「ボック」と呼ばれる断崖絶壁からの眺め。ノートルダム寺院や大公宮周辺からはまったく見えませんが、ひとたびこの堅固な砦が目に入ると、その迫力に驚かずにはいられません。

ここから眺める「グルント(低地)」と呼ばれる地区の風景は格別。

ここから下を眺めて、はじめて自分が高台にいたことに気づく人も少なくないはず。そうとは知らず高台を歩いていたとは・・・!世界広しといえどもこれほどユニークな街はそうそうあるものではありません。

エリアによってまったく異なる一面を見せてくれるルクセンブルクの街は、歩いて飽きることがありません。近隣諸国からの交通の便も良いので、オランダやベルギーと、あるいはフランスやドイツとあわせて、周遊旅行を楽しんではいかがでしょうか。

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