モロッコの首都は世界遺産!ラバトを象徴するムハンマド5世の霊廟が美しい

年間1000万人以上の観光客が訪れる北アフリカの国、モロッコ。

モロッコといえばカサブランカを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、カサブランカは商業の中心。首都はカサブランカの北およそ85キロのところに位置するラバトです。

カサブランカやマラケシュ、フェズなどに比べると外国人旅行者の姿が少ないラバトですが、実は世界遺産の街。「ラバト:近代都市と歴史的都市が共存する首都」として文化遺産に登録されています。

世界遺産の登録名称が表している通り、ラバトは整然とした近代的な新市街と混沌としたメディナ(旧市街)が共存する興味深い街。

一度この街を訪れれば、政治の中心らしい落ち着いたたたずまいと、港町らしい開放感をあわせ持った居心地の良さに魅了されてしまうことでしょう。

そんなラバトを代表する観光スポットが、新市街に位置するムハンマド5世の霊廟。

フランスからモロッコの独立を勝ち取った元国王ムハンマド5世と、その息子ハッサン2世、そしてハッサン2世の弟であるムーレイ・アブドゥラー王子が眠る霊廟で、1973年に完成しました。

美しく整備された広々とした道を歩いて、白と赤の衣装を身に着けた衛兵が警備にあたる霊廟の入口に到着。馬に乗って凛とたたずむ衛兵たちは、とても絵になります。

その奥には、緑の三角屋根をもつ白亜の霊廟が。ラバトの青い空の下、抜けるように白い霊廟の姿が印象的です。

すっきりとしたシルエットながら、美しい曲線を描くアーチや壁面に彫られた網目のような模様が、イスラム建築らしいエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。

白い建物の横からは、幾何学模様やカラフルなタイルで装飾されたレンガ色の建物が延び、軽やかな白と重厚なレンガ色とのコントラストを造り上げています。

余計な装飾をそぎ落としたかのようなすっきりとした外観に対し、内部はきわめて豪華で装飾的。一歩足を踏み入れると、息を呑むほどの見事な建築美が広がっています。

壁面は幾何学模様やイスラム書道で彩られた色鮮やかなタイルや、気が遠くなるほど精緻な透かし彫りが施された化粧しっくいで覆われ、上に目をやれば人間業とは思えないほど精巧な細工を凝らした天井が目に入ります。

黄金色に輝く天井だけでなく、そこにはめ込まれた色とりどりのステンドグラスも美しく、首が痛くなってもずっと眺めていたくなるほど。

それほど大きな空間ではありませんが、ここにはイスラムの美意識や職人技がこれでもかと詰まっています。

床の中央に安置された石棺がムハンマド5世のもの。この霊廟を訪れれば、没後50年以上経ってもモロッコ独立の父であるムハンマド5世がいかに重要な存在であるかが肌で感じられます。

霊廟の荘厳な雰囲気とはうって変わって、霊廟の出入り口を守る衛兵たちはとてもフレンドリー。アジア人観光客が比較的少ないこともあってか「どこから来たの?」「コンニチハ」などと声をかけられます。

「元国王の霊廟という場でこんなにくだけた態度でいいのだろうか」と思わなくもありませんでしたが、そこはお国柄というものでしょうか。いずれにせよ、現地の人に歓迎されるのは嬉しいものです。

伝統衣装をまとった彼らの姿は、芸術的な霊廟の建物とあいまってとてもフォトジェニック。

彼らの姿を写真に収めても問題ないばかりか、「自分の写真を撮ってくれ」とリクエストをくれる衛兵もいたくらいなので、ぜひここでしか撮れないとっておきの一枚を手に入れてください。

モロッコの歴史と建築美に触れられるムハンマド5世の霊廟は、モロッコの人々の人なつっこさやサービス精神に触れられる場所でもあるのです。

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