ゲイはムチ打ち!?シンガポールのトンデモ同性愛事情

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シンガポールといえば、ガム禁止など変な罰則が山ほどあることで知られる国だが、「男性同性愛」も法律で禁止されているのをご存知だろうか?

本当は同性愛全てが犯罪だったのだが、2007年の法改正でレズだけは合法化された。罰則はかなり厳しく、1993年にはいわゆる「ハッテン場」として有名なビーチで、おとり捜査によって12人のゲイが逮捕されムチ打ちや禁錮刑に処された事件があり、これは映画化もされている。

これはイギリスの「ソドミー法」(自然に反する性交渉を犯罪とする法律)が植民地時代に導入されたことの名残で、現在でも「刑法377A条:品位の侵害」に代表されるいくつかの法律で厳重に禁止されている。

罰則以外でも、ゲイであることが判明すれば、公務員採用が見送られる、軍役期間の職種が制限される、精神科での検査や両親への聞き取り調査が行われるなど、様々な差別的扱いを受けることになるのだが、不思議なことにシンガポールにいるとゲイとおぼしき男性はけっこう見かけるのである。

筆者の住んでいる集合住宅にも、外国人のゲイカップルが公然と暮らしている。LGBT(性的マイノリティー)人権擁護のためのイベントも開催されているし、ゲイの遊べる場所もネットで簡単に探すことができる。アジアではかなりゲイが自由に行動できる国のひとつかもしれない。

これは2007年に法改正があった時に「同意の上の私的関係は起訴しない」と政府が公言したからで、だったら何故いまだに違法なのかという話なのだが、そこは「一般の価値観と照らしあわせて」という曖昧な言い方にとどまっている。

そのうち解禁されるのか、それともこのまま形だけ違法にしておくもりなのか?

ゲイの旅行者でも問題なく観光できるが、いくら実質規制がないとはいえ節度を求められることは気に留めておいたほうがよさそうだ。

Post: 松下祥子