【日本麺紀行】まるでフルコースを丼に表現したかのようなトリュフ香るラーメン / 東京・巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦 (ジャパニーズソバヌードル ツタ)」
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東京豊島区巣鴨と言えば、とげぬき地蔵に巣鴨地蔵通り商店街など「おばあちゃんの原宿」として有名な街。
そんな町に絶品のラーメンを供するお店がある。その名前は、Japanese Soba Noodles 蔦 (ジャパニーズソバヌードル ツタ)。
JR巣鴨駅から歩いて1分もかからない場所にこの絶品のラーメン屋は存在する。あの人気グルメサイト「食べログ」において東京のラーメン部門で第5位にランクインしていることからも、万人に愛されているラーメンである事が分かる。
お店に到着したのは平日の午後1時半すぎ。まるで割烹料理屋のような佇まいからも、ラーメンに対するこだわりを感じることができる。
平日のお昼を過ぎた時間帯にもかかわらず30分ほどお店の外で待つほどの人気。人気店ゆえの宿命だが、このお店は待って食べるだけの価値があるほどの、まるでフルコースを丼に再現したかのようなラーメンを味わう事ができるのだ。
今回はお店オススメの「焼豚醤油そば」に味玉をトッピングしたものをオーダーした。本当はトリュフの卵かけご飯や肉丼などを追加で注文したかったのだが、さすが人気店、この時点ですでに売り切れとなっていた。もしサイドメニューも食べたい方は早めに行くことをオススメする。
着丼すると、非常に美しく香り高いラーメンに驚かされる。しっかりと仕事がされたであろうメンマ、艶やかな茹であがりの麺、注文ごとに手切りされる低温熟成されたチャーシューと呼ぶにふさわしくない、妖艶なまでのローストポーク、そして丼から立ち上るかぐわしいスープの香り、それぞれが美しい形でラーメンを構成している。
まずはスープをひとくちレンゲでいただいてみると、ふくよかで優しい鶏と魚介のウマミが広がる。ウマミが広がった後を追いかけてくるのは素晴らしいコクのある醤油味。
まるで料亭ですまし汁をいただいているようなファーストインプレッションだが、最終的にはしっかりとラーメンを主張してくる、そんな味わい深いスープに驚いてしまう。
次に前菜としてメンマを頂戴してみると、こちらも丁寧に仕事がされている。メンマの歯ごたえをそのままに、ラーメンスープを邪魔しない味付けがされた、濃すぎもせず、薄すぎもせず、絶妙な味わいをたたえたメンマはこれだけで逸品となりそうだ。
ここまで完成されたスープや具にあう麺は難しい、そう思いながらも麺を持ち上げひとくち食べて驚いた。極上のスープの香りに負けない全粒粉。
絶妙な麺のゆで加減は歯触りも極上で、しっかりとコシで歯を押し返してくる楽しい食感なのだ。そして噛みしめるたびに小麦の香りを感じ、スープの香りと相まって極上のハーモニーを奏でてくれる。
そしてメインディッシュはチャーシュー。こちらのチャーシューはチャーシューというよりもローストポークといったほうが良いだろう。極上の肩ロースが絶妙の火加減を施され、最高の状態で提供されている。
スープのなかで柔らかく暖められた極上の肩ロースは、たっぷりとスープを含んでいる。さらにチャーシューの上にはトリュフソースが添えられている。
たっぷりとスープを含んだチャーシューを噛みしめるたびに溢れる肉汁とスープが口の中で渾然一体(こんぜんいったい)となり、鼻腔をくすぐるトリュフの香りをたずさえ、高貴とも言える味わいを紡ぎだす。
最後にデザートの代わりに味玉を頂いたが、こちらも秀逸な出来映え。ねっとりとウマミをたたえた半熟の味玉はどこまでも余韻を残して、スープのコクを増幅させる。
ここまで完璧なコース料理ともいえる味わいを丼の中に表現しているラーメンが他にあるのだろうか。もはやラーメンの域を逸脱していると言ってもいいほどのラーメンの味わい、是非とも1年のしめくくりに体験しておいて頂きたい。
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お店 Japanese Soba Noodles 蔦 (ジャパニーズソバヌードル ツタ)
住所 東京都豊島区巣鴨1-14-1
営業時間 11:00~16:00(材料切れの場合終了)
定休日 月曜日