ヨーロッパの高級社交場、世界で2番目に小さいミニ国家・モナコってどんなとこ?

バチカン市国に次いで世界で2番目に小さいミニ国家、モナコ公国。

南フランスのコート・ダジュール地方の町、ニースとマントンのあいだに位置し、地図上で見ると一見フランスの一都市のようですが、フランスとはまったく異なる個性をもつ、れっきとした独立国家です。

夜ごとお金持ちが集まるカジノやF1グランプリなど、どこか浮世離れした華やかなイメージの強いモナコとは、いったいどんな国なのでしょうか。

・モナコ基本情報

モナコ公国は、モナコ市を全領土とする都市国家で、世界で2番目に小さな国。面積はおよそ2平方キロメートルで、日本の皇居の2倍程度にすぎません。

人口は約3万8000人で、そのうちモナコ国籍を有するモネガスク(モナコ人)はわずか9000人。人口の大半をフランスやイタリアをはじめとする外国籍者が占めています。

公用語はフランス語。フランスとの通商関係が緊密で、EUには加盟していないもののユーロが公式通貨として使われています。

日本パスポート所持者は3ヵ月以内の滞在ならビザは不要。モナコには空港がないため、ニースなどの南フランスの都市から陸路で現地入りするのが一般的です。

典型的な地中海性気候で、一年のうち300日は晴れるという太陽に恵まれた国。冬でも青い空と海の風景が楽しめます。

・ヨーロッパの高級社交場

個人居住者に対し所得税を課さない政策により、世界からお金持ちが集まってくるモナコ。100年前までは何もない岩山だったといいますが、今となってはそれが信じられないほどです。

モナコがヨーロッパの高級社交場として揺るぎない地位を占めるようになったのは、19世紀半ばのモナコ大公シャルル3世の功績によるところが大きいといえます。

美しい自然と温暖な気候に恵まれたモナコには高級リゾート地へと発展する可能性を秘めていると考えたシャルル3世は、カジノや高級ホテルを次々と建設。モナコは一躍、ヨーロッパの高級社交場としてその名をとどろかせるようになったのです。

国内にあるホテルの75パーセントが4つ星以上の高級ホテルというモナコでは、思い切って奮発するのがリゾートステイを満喫するカギといえるでしょう。

・世界で最も有名な「カジノ・ド・モンテカルロ」

モナコの代名詞ともいえるのが、世界で最も有名かつ華やかなカジノ「カジノ・ド・モンテカルロ」。ベルエポック調の美しい建物は、パリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)を手掛けた建築家、シャルル・ガルニエの設計により、1878年に完成しました。

夜になると高級車が次々と停まり、着飾った紳士淑女がカジノ内部へと消えていきます。目の前で繰り広げられる映画のワンシーンのような光景には圧倒されるばかり。せっかくモナコを訪れたなら、ドレスアップして社交界デビューしてみるのもいいかもしれません。

「カジノ・ド・モンテカルロの内部を見てみたいけれど、カジノで遊ぶのは気後れする」という人は、カジノ営業前の午前9:00~12:00の見学時間を利用するのがおすすめです。

・山に囲まれた起伏に富んだ地形

モナコを訪れた人が驚くのが、起伏に富んだ地形。モナコの町は坂道や階段の連続で、実際に歩いてみるとその面積よりもずっと大きく感じられます。

ニースに似た雰囲気のあるモナコですが、起伏に富んだダイナミックな町並みは、ほかとは一線を画すモナコならではの風景といえます。急斜面に無数の高層ビルがへばりつくようにして並ぶ光景は、「ザ・モナコ」!

・世界三大夜景

2012年に長崎で開催された夜景サミットで、モナコは香港、長崎とともに「世界三大夜景」のひとつに選ばれました。

モナコの夜景が特別なわけは、山と海に囲まれた狭い範囲に無数の高層ビルが集まっているから。ヨーロッパでこれほど多くの高層ビルが一堂に会する光景がほかにあるでしょうか。

なかでも高台から見るモナコの夜景は格別。フランスから日帰りで訪れる人も多いモナコですが、せっかくモナコに行くなら、「地中海の宝石」の異名にふさわしい夜景をひと目見てみたいものです。

・今なお色あせないグレース・ケリーの面影

死後35年以上を経てなお人々を惹きつけてやまないのが、「20世紀最大のシンデレラストーリー」といわれたグレース・ケリーの存在です。

ハリウッド女優として人気絶頂にあった1956年、女優業を引退し、モナコ大公レニエ3世と世紀の結婚式を挙げたグレース・ケリー。1982年、自動車事故により52歳の若さで帰らぬ人となった後も、その面影は人々の心にしっかりと刻まれています。

グレース・ケリーが眠っているのが、旧市街に建つモナコ大聖堂。ここは、グレース・ケリーがレニエ3世との結婚式を挙げた場所であり、彼女の葬儀が行われた場でもありました。

大聖堂のほかにも、大公宮殿やバラ園、日本庭園などモナコにはグレース公妃ゆかりの場所がたくさん残っています。モナコを訪れたら、今なお色あせないグレース・ケリーゆかりの地をたずね歩いてはいかがでしょうか。

世界で2番目に小さいミニ国家でありながら、個性的な魅力に富んだ国・モナコ。グレース・ケリーのように気品あふれるこの国は、大人のリゾートステイにぴったりです。

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