江戸初期から続く渡し船を味わおう。東京都内に唯一残る貴重な渡し場、葛飾・矢切の渡し
|江戸時代初期から続く、都内に唯一残る貴重な渡し場「矢切の渡し」をご存知でしょうか?
「矢切の渡し」は、東京都の柴又と対岸の千葉県の矢切とを結ぶ生活の足として、江戸時代初期から現代まで続いている、いまでは大変珍しくなってしまった渡し船。
もともとは、江戸時代初期に、江戸川の両側(今の東京と千葉の両方)に田んぼを持っていた農民が、関所を通らずに往来したことから、この「矢切の渡し」が始まったそうです。
当時から、江戸川唯一の渡しであり、近代では伊藤左千夫の小説「野菊の墓」で政夫と民子の悲しい恋の舞台になったり、現代では映画「寅さん」の舞台としても広く知られています。
こちらでは今でも船頭さんの手漕ぎの舟が、およそ150mの江戸川を往復してくれます。情緒たっぷりの木製の渡し舟は、今も昔も訪れる人々の気持ちをのどかにさせてくれます。
さらに、渡し場から歩いて20分程のところには西蓮寺があり、隣接している野菊苑展望台からの見晴らしは素晴らしいものがあり、矢切耕地、江戸川の流れ、遠方には東京の街並みを見渡す事ができます。
川面を渡る手漕ぎの舟、そして季節ごとに訪れる鳥たちのさえずり、そして川の匂い。
もし柴又を訪れたのであれば、ちょっと足を伸ばして、江戸の情緒たっぷりの船旅を楽しんで見てはいかがでしょうか?
そこには江戸時代から、変わらない風景と自然の香りがまだ残っているに違いありません。
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