江戸の風情ただよう観音裏で味わう絶品の冬の味覚。台東区浅草「弁天(べんてん)」の牡蠣南蛮そば
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浅草観音裏の柳通り。
かつての江戸の風情が残る路地裏にひっそりと佇む1軒の蕎麦屋がある事をご存知だろうか。
そのお店の名前は「弁天(べんてん)」
・日本にとって歴史的に意義深い年に創業
こちらのお店、創業は1951年(昭和26年)。1951年が日本における特別な年であることをご存知の方も多いのではないだろうか。この年の9月、日本とアメリカの間で講和会議が開催され、対日講和条約が調印され、同時に日米安全保障条約が結ばれた。このサンフランシスコでの歴史的な講和条約と安全保障条約が、翌年の1952年(昭和27年)4月28日に発効することにより、終戦から続いた連合国による占領は終了し、日本は独立を回復した。そんな歴史的に意義深い年にこちらのお店は産声をあげたのである。
・地元民に愛されつづける銘店
こちらのお店、浅草の中心エリアとされる雷門周辺や浅草駅から少し離れている。そのため、観光客が訪れることはあまりなく、地元の方々が足しげく通うお店である。こちらのお店で特筆したいのが四季折々の名物の蕎麦。日本人が大切にしている四季の移ろいを味覚でたっぷりと感じさせてくれる蕎麦屋ということも、地元民から愛される所以であろう。
・冬の名物といえば牡蠣なんばん
こちらの冬の名物といえば牡蠣なんばんだ。ぷりぷりでおおぶりな牡蠣を千住ネギと一緒に蕎麦ツユで仕上げた温かいそば、それがこちらの牡蠣なんばん。見た目にも艶やかな牡蠣は、片栗粉で化粧され、蕎麦ツユとの絡みは抜群。熱いのを我慢してひとくち頬張れば、蕎麦ツユのウマミとたっぷりとした牡蠣のウマミが渾然一体となって口の中に冬のウマミを爆発させる。冬のウマミと香りが残ったところに、アツアツの蕎麦をすすりこめば、日本人に産まれた事を感謝するほどの安心感のある味わいが広がっていく。
浅草を訪れるのであれば、少し外れた観音裏と呼ばれる、かつての江戸の風情が残る路地裏を覗いてみてはいかがだろうか?
きっとそこには、江戸から紡がれてきた歴史の香りが、いまもなお色濃く残る路地裏があり、そんな路地裏にしかない絶品の味わいを楽しめる蕎麦屋があるに違いない。
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お店 弁天 (べんてん)
住所 東京都台東区浅草3-21-8
営業時間 11:30~22:00(日曜日のみ21:30まで)
定休日 水曜日