文明の十字路、世界遺産の古都マラッカをおさんぽ
|クアラルンプールを拠点とするLCC(格安航空会社)・エアアジアの就航以来、日本でも人気上昇中のクアラルンプール。
そんな人気のアジアの都市クアラルンプールに行くならあわせて訪れたいのが、世界遺産の古都・マラッカです。
今回は西洋と東洋が融合した不思議な魅力をたたえる街、マラッカをご紹介します。
LCCでクアラルンプールに着いたらマラッカまでの旅はバス旅になります。クアラルンプールのバスターミナルからマラッカのバスターミナルまでは約2時間半。
マラッカのバスターミナルからマラッカ市内中心部まではやや離れているので、市内バスまたはタクシーで中心部へと向かうことになります。
そんなマラッカ観光の起点となるのが、マラッカのランドマークとなっているオランダ広場。
ここオランダ広場に並ぶ建物は、オランダ総督らの住まいとして建てられた東南アジア最古のオランダ建築「スタダイス」や、ムラカ・キリスト教会といった色鮮やかなコロニアル建築の建物たち。
そこにマラッカ名物の自転車タクシー、トライショーが華を添えます。
西洋とも東洋ともつかない不思議な異国情緒が漂うマラッカでは、「いったい自分は今どこにいるんだろう」と思わせられるような感覚をおぼえます。
15世紀に王国として誕生したマラッカの繁栄を支えたのがマラッカ海峡。
当時マラッカ海峡は東西への貿易船が行き交い、シルクロードに匹敵する海の道として繁栄しました。
そんな海上交通の要衝であったマラッカはヨーロッパ諸国にとってはまさに金鉱と言っても過言ではありませんでした。
そんなアジアにおける海の金鉱は、16世紀のはじめにマラッカを掌握したポルトガルを皮切りに、オランダ、そしてイギリスとヨーロッパ列強による支配が数世紀にわたって続いていきます。
現在でもその繁栄を伝えるオランダ広場にある「スタダイス」から丘の上にのぼっていくとたどり着くのがセントポール教会。
こちらは1521年にポルトガル人によって建てられた教会跡です。
現在では廃墟のようになっていますが、重厚な石造りの壁からは歴史の重みが感じられます。
この場所はヨーロッパ列強支配のさきがけとなるポルトガルによって統治されていた時代、ヨーロッパ人宣教師たちの活動拠点となっていました。
日本にも布教に訪れたザビエルの遺骨は、このセントポール教会に9ヵ月間安置されたのち、インドのゴアに運ばれた、という逸話も残っています。
セントポール教会を少し下ったところにあるのがサンチャゴ砦。
こちらは1511年にオランダとの戦いに備えてポルトガル軍が造った砦跡です。
大砲も備わっており、オランダ広場に次ぐ人気の撮影スポットとなっています。
オランダ広場の北西にある橋を渡るとそこはチャイナタウン。
現在ではマラッカの中心地となっており、多くのショップやカフェ・レストランがたち並ぶ賑やかなエリアで、歩いているだけでワクワクしてしまいます。
そんなチャイナタウンはマレーと中国の文化が混ざり合ってできた華麗なるババ・ニョニャ(プラナカン)文化が色濃く残るエリア。
ババ・ニョニャの邸宅を利用したレストランでその世界観に浸ってみるのも楽しいかもしれません。
チャイナタウンで最も目を引くのがマレーシア最古の中国寺院、チャン・フン・テン寺院。
こちらの寺院は1646年にはるばる中国から運んできた資材で建てられました。
そんな素晴らしいチャン・フン・テン寺院の細部まで精巧に施された色鮮やかな装飾には目を見張ります。
さらに、カラフルなアートの数々で彩られたマラッカ川沿いを散歩するのもマラッカでの楽しみの一つ。
さまざまな建築物を目にすることができるここもまた、マラッカの多様性を実感できるスポットです。
街を歩けばオランダ、ポルトガル、イギリス、中国、マレーシアといった様々な文化に出会えるマラッカ。
異なる文化が混じり合い共存し、誰もが不思議な心地よさを覚えてしまう場所、そんなアジアにおける文明の十字路で素敵な滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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