高級食器でおなじみマイセンの歴史が詰まった街を歩こう!
|日本でも知らない人はいない高級磁器マイセン。
マイセンというのはその磁器が生産されている街の名前だというのはご存知でしょうか?
ドイツの東の端、チェコ共和国との国境にほど近い街ドレスデンから北西へ電車で40分ほどの場所にあるマイセンでは、現在でも職人によってひとつひとつ手作りで磁器が生産され、それらは世界中で愛用されています。
マイセン磁器の誕生は今から約300年前に遡ります。
当時ヨーロッパでは東洋から伝わった磁器に対して熱い視線が注がれ、各国の王や貴族たちはまだヨーロッパでは謎に包まれていたその製法を見つけ出そうと必死になっていました。
ザクセン選帝侯のアウグスト2世もその一人。
彼は錬金術師ヨハン・フリードリヒ・ベドガーを監禁して磁器の製造方法を研究するように命じたのです。
やがてベドガーは磁器製造の秘密を解明し、1709年にマイセンが誕生しました。
アウグスト2世は製造方法が他国に知られないよう、このアルブレヒト城のなかに工場を設立しました。
15世紀に建てられた重厚な城は、その後150年間にわたり磁器工場として使用されました。
一方で製造方法が他に漏れる事を恐れたアウグスト2世はベドガーを城に軟禁し、ベドガーはそのストレスによって酒におぼれ、37歳の若さでこの世を去ったのです。
アルブレヒト城は小高い丘の上に建っていますが、そこへ向かう途中の上り坂からはオレンジ色の屋根が印象的なマイセンの可愛らしい街並みを眺める事が出来ます。
第二次世界大戦中、爆撃によってドレスデンが大きな被害を受けた一方でマイセンでは被害が少なく、古い家が残っているのです。
そしてマイセンで見逃してはならないのがマイセンの見学用工房と磁器博物館です。
工房では磁器製作の様子を実演を交えて説明をしてくれます。
職人が慣れた手つきで絵付けをする様子などはそれ自体が芸術という感じで、誰でも楽しめるのではないでしょうか。
磁器博物館では食器のみならずマイセンの磁器で作られたシャンデリアや人形などが展示してあり、とても見ごたえがありますよ。中でも壺に施された花の装飾の繊細さと美しさには感動さえ覚えます。
可愛らしい人形や動物も沢山展示してあり、表情などがとてもリアルに作られていて今にも動き出しそうです。
また博物館にはショップやアウトレット、レストラン・カフェも併設されており、お買い物や食事を楽しむことも出来ます。レストラン・カフェで使われている食器はもちろんマイセンです。
マイセンの街は小さいのでドレスデンからの日帰り観光が十分可能です。ドレスデンへ行ったらぜひ、可愛らしくて素朴な雰囲気の漂うマイセンへの街へも足を運んでみてください。
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