別府地獄めぐりをするなら亀の井バスの定期観光バス「別府地獄めぐりコース」がおすすめ

大分、別府の観光といえば、「別府地獄めぐり」をはずすことはできません。

別府市鉄縄・亀川の地獄地帯は、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していた記録が残っており、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったことから、「地獄」と称されるようになったのだとか。

地獄めぐりは、海地獄、鬼石坊主地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、血の池地獄、竜巻地獄の7つの地獄をめぐることを指します。(※以前は「山地獄」も含めて8つの地獄をめぐるコースだったようですが、現在は7つの地獄となっています。)

レンタカーやタクシーで回っても良いのですが、おすすめなのは「亀の井バス」の運行する定期観光バス「別府地獄めぐりコース」を利用すること。料金は、大人1人3650円で、これには7つの地獄すべてに入れる共通入場券(通常価格大人1人2,000円)が含まれます。

亀の井バスは、「別府観光の祖」である油屋熊八が興した会社で、昭和3年、別府観光の目玉として遊覧バスの運行を開始、そのバスに”少女車掌”を乗せ、案内をさせたことで爆発的な人気を博したと言います。
つまり、日本のバスガイドの歴史は、亀の井バスから始まったということですね。

亀の井バス「別府地獄めぐりコース」では、バスガイドさんの案内を聴きながら、7つの地獄を順番に回っていきます。ひとりで回っていたのでは気付かない見どころや、由来なども聞けるのが魅力。

・海地獄

まず最初は、国指定名勝(国が指定した文化財)の海地獄。子どもが乗れるという日本一の大鬼蓮(オオオニバス)が咲く池の向こうに、もくもくと立ち上る湯気が見えます。

売店を通り抜けた先に見えるのが、神秘的なコバルトブルーの池、海地獄。海のようにも見えますが、実は摂氏98度にある高温の池で、約1200年前の鶴見岳の爆発によってできたと言われています。

海地獄のお湯で蒸し焼きにした「地獄蒸し焼きプリン」(300円)は、卵に牛乳・砂糖・バターのみを加えて作られた手作りプリン。やや固めのしっかりとした食感で、濃厚な味わいがほろ苦いカラメルソースによく合います。ここでしか食べられないご当地スイーツなので、海地獄へ行かれた際にはぜひお試しあれ。

鬼石坊主地獄

次に足を運んだのは、鬼石坊主地獄。灰色の熱泥が大小の球状をなし、ボコボコと沸騰する様子が坊主頭に似ており、鬼石という地名にちなんで、鬼石坊主地獄と呼ばれているとのこと。

ボコッ、ボコッと沸きあがる泥は、いかにも地獄を連想させますね。

かまど地獄

お次は、大きな赤い鬼の象が目を引くかまど地獄。昔氏神竈門八幡宮の大祭に地獄の噴気でお供え用のご飯を炊いた習わしがあったことから「かまど地獄」と名付けられたとのこと。

泉温は90度で、猛烈な噴気とともに高温温泉を出しています。

地獄めぐり名物、温泉卵や温泉まんじゅうもぜひ食べておきたいところ。

鬼山地獄

次に足を運んだのは、鬼山地獄。別名「ワニ地獄」とも呼ばれています。

大正12年に日本で初めて温泉熱を利用したワニの飼育を始め、現在およそ70頭のワニを飼育している鬼地獄。「鬼山」というのは地名ですが、「鬼」と「ワニ」が相まって、恐ろしいイメージです。

温泉による熱のおかげで、本来熱帯に生息するワニたちが、ここ別府の地で暮らすことができるのですね。

クロコダイル科イリエワニ、クロコダイル科シャムワニ、アリゲータ科メガネカイマンなどのさまざまなワニたちがのんびりお昼寝をする姿を見ることができます。

白池地獄

鬼山地獄のすぐ向かいにあるのが、国指定名勝・白池地獄。噴出時は無色透明の熱湯が、池に落ちると温度と圧力の低下により、自然に青白い色になるそうです。

園内では温泉熱を利用して、各種の大型熱帯魚も飼育されています。

竜巻地獄

ここまでに紹介した5つの地獄から少し離れたところに、竜巻地獄と血の池地獄があります。ともに国指定名勝で、どちらも特徴のある珍しい温泉です。

竜巻地獄は、別府市指定天然記念物の「間欠泉」。間欠泉は一定の間隔で熱湯と噴気を噴出する温泉です。世界の間欠泉の中でも、この竜巻地獄は休止時間の短いことで知られています。

休止と噴出の間隔は自然のもので、日によって異なるため、タイミングが合わないと数十分待つ必要があることも。ただし、定期観光バス「地獄めぐりコース」を利用すると、ガイドさんが電話確認などをして、ちょうどいい時間に着くように(血の池地獄との順番を替えるなどして)合わせてくれるので助かります。

この日も、竜巻地獄に到着後、10分もしないうちに噴出が始まり、非常に見ごたえのある噴出を見ることができました。

血の池地獄

最後は、血の池地獄。豊後風土記に「赤湯泉」と記された日本最古の天然地獄です。泉温78度。

「血の池」という名前から連想するような真っ赤なお湯ではなく、ややオレンジがかった赤色ではありますが、かなり大きな温泉で、噴気までが赤みを帯びているので迫力満点。

ここから産出する赤い粘土で、皮膚病に効く「血の池軟膏」が作られています。ご自宅用に買って帰る人も多く、気に入った人から通信販売でリピート注文も入るのだとか。

以上、駆け足でしたが別府地獄めぐりコースの7つの地獄を紹介しました。ここにしかない絶景を見ることができるので、大分・別府に行かれる際はぜひ足を運んでみてください。マイカーでの旅行以外の方は、亀の井バスの別府地獄めぐりコース(定期観光バス)を利用するのが便利でおすすめです。

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亀の井バス 別府地獄めぐりコース(予約は不要)
http://www.kamenoibus.com/teikikanko_01.php

別府地獄めぐりコースは、別府駅発、または北浜バスセンター発で、1日3本を運行しています。料金(地獄観光料を含む)は、大人3650円、高校3060円、中学2750円、小人1740円。所要時間は2時間30分~40分程度となっています。