5500年前の遺跡が今も残るアラン諸島!イニシィア島で古代ケルト文化の息吹を感じる旅!

アイルランド西部のゴールウェイ湾に浮かぶアラン諸島。

編み物が好きな人なら、「アランセーター」という言葉を耳にした事もあるのではないでしょうか?

イニシュモア島、イニシュマーン島、そしてイニシィア島といいた大小3つの島から成るアラン諸島では、現在でもゲール語が日常的に使われるなど、独自の文化が色濃く残っています。

約5500年前から人が住みだしたと言われているアラン諸島では、古代ケルト人が築いた遺跡が多く残されているほか、むきだしで荒々しいアイルランド独特の風景を目にする事ができます。

今回はそんなアラン諸島の中から、一番小さなイニシィア島の魅力を紹介します。

イニシィア島はアラン諸島の中でも最もアイルランド側に位置している島です。

全体が石灰質の岩盤で出来ており、面積が約10平方キロメートル、人口は300人ほどの小さな島です。

小さな島なので、観光方法は徒歩かレンタル自転車になるほか、馬車もあります。

島には見渡す限り石垣が残されていますが、これはかつて強大な王国がこの島を支配していた名残りです。

これらの石垣は、風が強く土地が痩せているこの地で人々の農業には欠かせない物でした。彼らは強い風で土が飛ばされないように畑を石垣で囲み、そこで海藻や岩盤を砕いて混ぜながら土づくりをしていきました。

岩盤質で天然の土がなく、厳しい環境の中でまさに全てを1から始めなければならなかったのです。

アランセーターにしても、その柄には荒れた海へ漁に出る夫の無事と豊漁を願う女性たちの祈りが込められていました。

こうして見ると、厳しい自然のなかを生き抜いてきたこの島の人達の様子が、なんとなく想像できる気がしてきますね。

どこまでの広がる石垣を眺めながら散歩をしていると、所々で古代遺跡や初期キリスト教時代の教会跡を目にします。

ケルト教会の巡礼地でもあったこの地には、その名残が多く残っているのです。

丘の上には14世紀に建てられたオブライン城跡もあり、そこから眼下に広がる街の様子を見渡すことができます。中には城跡に登っている人も。

海岸には廃船プラッシー号が打ち上げられており、これもまたイニシィア島で人気な観光スポットの1つです。

1960年に高波に遭って難破し、この船はそのまま捨てられてしまいました。朽ち錆びてしまった船の外観からは、なんとも言えない物寂しい雰囲気が伝わってきますね。

島では海岸沿いも歩いてみましょう。海風に吹かれながら散歩をしていると、運が良ければ海の中から顔を出すアザラシに出会えますよ。港ではイルカが現れる事もよくあります。

イニシィア島へはフェリーで行くことになりますが、ボート会社でいくつかツアーを開催しています。

ツアーによって訪れる島が異なったり、島観光と船からモハーの断崖を眺める遊覧船観光がセットになっている物等があるので、自分のプランや見たいものに合ったツアーを選びましょう。船もだいぶ揺れるので、酔い止めは忘れずに。

古代文化が息づく島で、そこでの長い歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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