陽光あふれるラグーンに囲まれた白い街、ポルトガル南部のファロに癒される

ポルトガルの最南端、アルガルヴェ地方の首都ファロ。

1249年にアフォンソ3世によって再征服され、ポルトガルにおけるイスラム勢力終焉の地となりました。

あふれんばかりの日差し、ヤシの木が並ぶ港、白壁の家々と、ポルトガルのなかでもとりわけ南欧の雰囲気が色濃く漂う明るい街です。こじんまりとした街でありながら、周辺リゾートへの玄関口として、毎年多くの旅行者を迎え入れています。

スペインのセビーリャへの直行バスも出ていることから、ポルトガルからスペインのアンダルシア地方に向かう中継地点としてもぴったり。

駅やバスターミナルから街の中心部に向かって歩いていくと、ボートやヨットが停泊する港が目に入ります。ヤシの木が立ち並ぶ遊歩道にリゾート気分が盛り上がりますね。

ファロの街で見どころが集中するのは、城壁に囲まれた旧市街。

「アルコ・ダ・ヴィラ」と呼ばれる門をくぐると、そこが旧市街。まぶしいほどの白壁の家々が南国の青い空に映え、イスラム支配時代を彷彿とさせる細い石畳の路地が探検心をそそります。

ファロの旧市街でまず訪れたいのが、中心にそびえるカテドラル。13世紀の教会を18世紀に建て替えた大聖堂で、ゴシック、ルネッサンス、バロックなどさまざまな建築様式が混在しています。

一見質素なように見える大聖堂内部ですが、一つひとつ礼拝堂を見ていくと装飾の豪華さと細やかさに圧倒されます。

17世紀のアズレージョ(ポルトガル伝統の装飾タイル)も美しく、ポルトガルらしい芸術世界が楽しめる空間です。

赤が印象的な大きなパイプオルガンは音楽的、芸術的にも価値の高いもの。1701年にドイツのハンブルクの職人によって製作され、1716年にファロのカテドラルに設置されました。

カテドラルの塔の上から眺める、ラグーンに囲まれたファロの街並みも必見。この景色を見れば「ずいぶん遠くまでやってきたなぁ」なんて、しみじみとしてしまうかもしれません。

カテドラルのほど近くにある大きな白い建物は、ファロの歴史がわかる考古学博物館。16世紀の修道院を改装したもので、ローマ遺跡から発掘されたモザイクや、15世紀の石棺などが見られます。

考古学博物館の周辺には、ひなびた風情が味わい深い路地の数々が。気持ちの赴くままにのんびりと散策してみたくなります。

この界隈には雰囲気のいいカフェ、レストランも点在しているので、街歩きの合間に心やすらぐひとときを過ごしてみては。

旧市街から街の中心部に戻ると、ゆったりとした道の両脇にレストランやショップが軒を連ねる賑やかな通りに出会います。ヤシの木が立ち並び、南国ムード満点。

ファロは中心部だけなら半日もあれば回れてしまう小さな街。忙しく観光するよりは、のんびりと過ごして日頃のストレスを洗い流したい方にぴったりです。

ビーチ好きな方は、ファロから近郊の街、ラゴスやアルブフェイラなどに足を延ばせば、より本格的にリゾートライフを満喫できますよ。

のんびりとした空気に心解き放たれるファロでゆったり過ごす休日。それは、素朴であると同時にとても贅沢な時間なのかもしれません。

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