世界遺産の大学がある、ポルトガル・コインブラの知られざる魅力とは!?

世界遺産のコインブラ大学を擁する、ポルトガル第3の都市コインブラ。日本ではあまり有名とはいえませんが、実は知られざる魅力が詰まった街なのです。

コインブラで真っ先に訪れたいのが、やはり世界遺産に登録されているコインブラ大学。丘の上にただずむコインブラ大学は、名実ともにコインブラの街の中心。

1290年にリスボンで創立された大学が、コインブラに移転されたことがコインブラ大学のはじまりです。以来、コインブラの街は大学とともに発展してきました。

旧大学にある、「図書館としては世界で一、二を争う豪華さ」とも称賛されるジョアニア図書館、鮮やかなアズレージョ(装飾タイル)で彩られた可憐な礼拝堂、大学の儀式に使われてきた帽子の間など、壮麗な空間の数々に圧倒されます。

多くの観光客が訪れる世界遺産とはいえ、コインブラ大学は現役の大学。キャンパスを行きかう学生たちの活気が感じられます。スーツにマント姿という、ポルトガルの大学生の正装に身を包んだ学生の姿も見られるかもしれませんよ。

コインブラ大学の新しい部分に隣接して建っているのが、新カテドラル。1598年に建設が始まり、100年以上を費やして完成した教会です。シンプルな造りの教会ですが、内部にある金泥細工の祭壇が見事。

ひるがえって、旧大学から坂を下ってすぐのところにあるのが、旧カテドラル。アフォンソ・エンリケスによって、1162年に建設されたロマネスク様式の教会で、レコンキスタの時代には要塞としても使われたのだとか。歴史を感じさせる重厚な外観は、貫禄十分です。

内部にある、精緻な装飾が施された黄金色の祭壇は息を呑む美しさ。つい時間を忘れて見入ってしまいそうです。

旧カテドラル周辺には、中世の雰囲気を色濃く残す入り組んだ路地が広がっています。ショップやカフェをのぞきながらのそぞろ歩きが楽しいですよ。

コインブラ大学の周辺を観光したら、ポルタジェン広場から延びる賑やかな通りを歩いて、5月8日広場へと向かいましょう。

5月8日広場に面して建っているのが、サンタ・クルス修道院。1131年にアフォンソ・エンリケスによって建てられ、16世紀にマヌエル1世によって改築された壮麗な建物です。

教会の内壁を彩るのは鮮やかなアズレージョ。ポルトガルならではの芸術空間が堪能できます。

時間に余裕があれば、ぜひともモンデゴ川の対岸にも足を運びたいもの。サンタ・クララ橋を渡った対岸からは、丘にへばりつくようにして建物が折り重なるコインブラの街並みが楽しめます。

ポルトガル各地の有名な建造物をミニチュアで再現した「ミニ・ポルトガル」や、コインブラを一望する丘の上に建つ新サンタ・クララ修道院など、対岸にもユニークな見どころがあります。ぜひ、ゆっくり時間をとってコインブラの街歩きを楽しんでください。

コインブラに滞在するなら、夜には、男性の歌い手がマントを着て歌う独特のコインブラ・ファドを聴いてみてはいかがでしょうか。「哀愁のポルトガル」を肌で感じる忘れがたい体験になるはずです。

世界遺産の大学をはじめ、ここにしかない魅力が満載のコインブラ。きっとあなたも、その落ち着いた文化都市の趣に魅せられることでしょう、

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