ローマ時代からの歴史を誇るドイツの高級温泉地、バーデン・バーデンの魅力とは
|日本人が大好きな温泉。温泉といえばやはり国内のイメージが強いですが、ヨーロッパにも少なくない数の温泉地があります。
その一つがドイツ南西部、黒い森地方に位置するバーデン・バーデン。「バーデン(baden)」とは、ドイツ語で「入浴(する)」という意味。「バーデン・バーデン」と同じ単語を2回重ねるのは、「バーデン地方のバーデン」という意味合いと、オーストラリアとスイスにある温泉地「バーデン」と区別する目的からなのだとか。
バーデン・バーデンは、起源80年ごろからローマ人によって温泉か築かれた街で、温泉町としてはヨーロッパでも屈指の歴史を誇ります。19世紀には、ビスマルクやヴィクトリア女王、ドストエフスキー、ブラームスといった王侯貴族や文化人が訪れた華やかな温泉地で、今も高級保養地らしい落ち着いた雰囲気を漂わせています。
レオポルト広場を中心に広がるバーデン・バーデンの街には、パステルカラーの可愛らしい建物や、バロック様式の壮麗な建物など、さまざまなスタイルの建築物が並んでいて、多彩な建築物の美しさに目を奪われます。
高級保養地だけあって、世界に名だたる高級ブランドのブティックも目立ちます。
バーデン・バーデンの街を歩くと気付くのが、緑の多さ。街のあちこちに公園や緑地があり、日々の忙しさを忘れてゆったりと散策するのにぴったり。
ドイツでは湯治のために2~3週間滞在するのが一般的なので、美術館などの文化施設も充実しています。
バーデン・バーデンにある浴場のなかで、水着で入れる気軽さで人気なのが、カラカラ浴場。現在はガラス張りの近代的な建物ですが、ローマのカラカラ帝も湯治に訪れたという古い歴史をもつ浴場です。
屋内外に温度の異なる7つの浴場があるほか、近年新設されたアロマミストサウナも好評。屋外には流れるプールもあるので、家族連れにもおすすめです。
ヨーロッパでも屈指の豪華な浴場として知られているのが、フリードリヒス浴場。1877年に造られたルネッサンス風の大浴場で、レジャー感覚で楽しめるカラカラ浴場に対し、こちらはより療養的要素の強い施設。決められた順番にしたがって、サウナ、炭酸浴といった各種浴場をめぐるローマの伝統的な入浴法が体験できます。
フリードリヒス浴場内にある、美しいドームが圧巻の「ローマン・アイリッシュ浴場」では、風情ある日本の温泉とは違ったヨーロッパの浴場ならではの優雅な空間が楽しめます。
浴場ではありませんが、バーデン・バーデンの名物的存在ともいえるのが、クアハウス。1823年に完成した湯治客の社交場で、レストランやコンサートホール、ドイツで最も美しいといわれるカジノを備えています。
温泉地にカジノだなんで、日本の温泉文化とはひと味違った海外ならではの湯治の楽しみ方ですね。ドレスコードはありますが、賭け金は2ユーロからと気軽に参加できるので、旅の記念に運試しをしてみてもいいかもしれません。
黒い森に抱かれた豊かな自然を感じながらのんびりと過ごすのがぴったりの温泉町、バーデン・バーデン。
この街のゆったりとした時間の流れに身を任せ、素晴らしい温泉を楽しめば、きっと心も身体もすっかり癒されることでしょう。
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