【タイ】チェンマイの銀寺「ワット・シースパン」はまさに「銀閣寺」だった

「タイの京都」とも称される古都・チェンマイ。市街には多数の寺院が残っており、今もランナー王朝の都として栄えた当時の面影が色濃く残っています。

そんなチェンマイには「ワット・プラタート・ドイ・ステープ」や「ワット・プラ・シン」など、タイでも有数の格式あるお寺がある一方、ちょっと風変わりなお寺もあります。一度見ると忘れられないほどのインパクトを残すお寺が、「ワット・シースパン」。なんと、世界で初めての銀細工のお堂をもつお寺なのです。

チェンマイの銀寺「ワット・シースパン」があるのは、旧市街の南にあるチェンマイ門から南西に進んだウアラーイ通り。サタデーマーケットが開催されることで知られるこの通りは、銀細工のお店が並ぶ職人通りでもあります。

そんなチェンマイの「銀細工のメッカ」ともいえる場所に建つワット・シースパン。門をくぐって敷地の奥にある礼拝堂が目に飛び込んできた瞬間、あまりの存在感に目を見張ります。

ワット・シースパンに来る途中、「チェンマイの銀閣寺」という看板を見かけましたが、まさに正真正銘「銀閣寺」!京都の銀閣寺は「金閣寺」との対比でそう呼ばれているだけですが、こちらはお堂全体が銀色なのです。

屋根も外壁も銀色なら、内装も銀色。礼拝堂の横に鎮座するガネーシャ像も銀色に輝いています。

ワット・シースパンと対面して驚くのが、装飾の精巧さ。銀色の装飾はペイントなどではなく、板を背面から一点一点打ち出すことによって絵柄が表現されているのです。

見れば見るほど、細工の緻密さと立体感に心を奪われ、お堂の周囲を何度もぐるぐる回ってしまったほど。銀工芸技術の保護と育成を推進しているお寺というだけあり、ワット・シースパンにはタイの銀細工の粋が詰まっているといえるでしょう。

正面のブルーの階段は海を表していて、礼拝堂全体で仏教の世界観を表現しているのだそう。

外壁にはブッダが説法をする場面など、仏教に関するモチーフが「これでもか」というほど細かく打ち出されています。

さらに、「RIO DEJANEIEO」「TOKYO」「BEIJING」といった世界の主要都市をイメージしたレリーフも。

ワット・シースパンは、1500年、マンラーイ王朝ムアン・ゲーオ王の時代に建てられました。ところが当初から現在の姿であったわけではなく、今のように一面が銀色に様変わりしたのは2000年代に入ってからといわれています。仏教寺院としては一風変わったデザインからも、お堂の新しさがうかがえます。

意外だったのが、これほどまでに圧倒的な存在感を放つお寺にもかかわらず、観光客があまりいなかったこと。特に外国人観光客の姿が少なく、ワット・シースパンを訪れる人の多くがタイ人のようです。

なお、ワット・シースパンは礼拝堂内部も一面が銀色に輝いていてとても幻想的なのですが、女人禁制のため、筆者は中に入ることはできませんでした。

あなたが男性ならラッキー。ぜひ中に入ってその比類なき空間を瞼の裏にしっかりと焼きつけてはいかがでしょうか。もちろん、外から眺めるだけでも、訪れる価値は十分すぎるほど。

このお堂を目にしたら、きっと誰もが「手仕事」のパワーに圧倒されること請け合いです。

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