ロマン感じるマレー鉄道の旅!クアラルンプールからバタワースへマレーシアを北上
|「鉄道の旅」。この響きになぜか憧れてしまうという人は少なくないでしょう。
とりわけ、「マレー鉄道」と聞くと、自然のなかをゆったりと旅するイメージが思い浮かび、ノスタルジックなロマンを感じませんか。
マレー鉄道は、もともとスズを運ぶために敷かれた鉄道。1885年、マレー半島の植民地支配を進めていたイギリスが、ペラ州のタイピンと西海岸のポート・ヴェルドを結ぶ鉄道を建設したのがはじまりでした。
その後路線は延長され、ゴムの運搬の必要性が生じたことからさらに拡大。1924年には、シンガポール~タイまでを結ぶ西海岸線が完成したのです。
実際のところ、マレーシアにおいて最も便利な交通手段はバス。バスの路線はマレーシア全土に張り巡らされていて、本数も多いので、バスターミナルでチケットを買ってすぐに出発することも可能です。
さらには値段も安く、所要時間の面から見ても、鉄道と同等か、ルートによっては鉄道より早いことも。マレーシアにおいて、バスは安くて便利な庶民の味方なのです。ジョホール・バルからペナン島など、長距離を一気に移動する場合は格安航空会社(LCC)も便利です。
このように、必ずしも便利とはいえないマレー鉄道の旅。しかし、鉄道の旅にはバスや飛行機の旅にはないロマンがあります。
そこで、首都クアラルンプールからイポーを経由し、バタワースまで、合計およそ350キロを鉄道で北上することにしました。
マレー鉄道のチケットは、鉄道駅もしくはマレー鉄道のホームページで購入可能。満席になることも少なくないので、遅くとも乗車日の前日までにチケットを購入しておくことをおすすめします。
また、駅や時間帯によってはチケット売り場が大変混雑することもあるので、駅で購入する場合は、時間に余裕を持って出かけましょう。
1886年の開業以来、今なお現役で活躍しているクアラルンプール鉄道駅。
クアラルンプール市内最古の駅で、現在の駅舎は、1910年にイギリス人建築家の設計によって建てられたもの。優美なシルエットを描く、白亜のコロニアル建築はまるで宮殿のようです。
現在は、2001年に開業したKLセントラル駅が、クアラルンプールのハブ駅としての役割を担っています。クアラルンプール鉄道駅かKLセントラル駅、滞在場所に合わせていずれか便利な駅から乗るといいですね。
乗車したのは「ETS」と呼ばれる高速鉄道。
マレーシアの鉄道は、東南アジアのなかではきわめて近代的です。設備や速度は路線、車両によって違いがありますが、過去にタイやミャンマーで鉄道を利用したことのある筆者は、マレー鉄道の近代化ぶりに驚きました。
クアラルンプールを発車した列車は、マレーシア第3の都市、イポーへと向かいます。道中、熱帯の木々がどこまでも林立する風景に出会いました。
まさに「世界の車窓から」の世界。こうしたのんびりとした風情は、鉄道の旅の醍醐味です。
クアラルンプールからおよそ2時間半でイポー鉄道駅に到着。ムーア風とコロニアル風の建築様式を取り入れた鉄道駅はイポーのシンボル的存在です。
イポー鉄道駅のほかにも、歴史的建造物が点在するイポーはノスタルジックな情緒にあふれた街。「美食の都」としても名高く、クアラルンプールからペナン島に行く途中にぜひ立ち寄りたい街です。
イポーに滞在した後は、ペナン島への起点となるバタワースを目指します。車内はゆったり広々。近代的でとても快適です。
イポーから2時間弱でバターワースに到着しました。これにてマレー鉄道の旅は終了。
ここからは、フェリーに乗り換えてペナン島を目指します。
筆者が思い描いていた鉄道よりも、ずっと近代的であることが判明したマレー鉄道。
ガタゴトと音を立ててゆったりと走る鉄道とは違いますが、鉄道の旅ならではの旅情は今も健在です。マレー鉄道は、今日も多くの人々の想いをのせて走っていることでしょう。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
マレー鉄道(KTM)公式サイト
http://www.ktmb.com.my/ktmb/index.php?r=portal/index
※「e-Ticket」メニューより英語によるチケットの購入が可能