ヒッチコックが「世界一」と絶賛した夕陽の町、ザダルのマジックアワーに酔いしれる

クロアチアに、映画監督ヒッチコックが愛した夕陽の町があるのをご存じでしょうか。

それが、アドリア海沿岸・ダルマチア地方に位置するザダル。

ザダルは、その起源を紀元前9世紀にさかのぼる古い歴史をもつ町で、地理的・経済的に重要なポジションを占めていたため、中世の時代にはヴェネツィア共和国に匹敵するほどの勢力を誇っていました。

いまでは、ローマ時代や中世の建築物が残る歴史の町としてだけでなく、クロアチア屈指の夕陽の名所として知られています。

ザダルを「夕陽の町」として一躍有名にしたのが、イギリス出身の映画監督、アルフレッド・ヒッチコック。休暇でザダルに滞在していたヒッチコックは、ザダルの夕景に感動し、こんな言葉を残しました。

「ザダルの夕日は世界で最も美しい。フロリダのキーウェストの夕日よりも・・・」

そんなザダルの夕陽が楽しめる絶好のスポットが、海に突き出すような形をしたザダル旧市街の先端部分。

旧市街北西部の海沿いのプロムナードを歩いていると、海のほうから摩訶不思議な音色が聞こえてきます。

これは、ザダル名物「シーオルガン」の音。風が吹くと、岸壁に埋め込まれた装置が反応してメロディを奏でる仕組みで、自然が生み出す独特の調べは、なんとも幻想的です。

夕暮れどき、ダルマチアの真っ青な空は黄みを帯び、しだいにオレンジへ、さらには燃えるような赤へとその色を変えていきます。

そんな空の色に合わせて、アドリア海もキラキラと、オレンジやピンクの輝きを見せます。その輝きと鮮やかな色彩は、目もくらむほど。

刻一刻と移り変わる夕景に、シーオルガンの調べが重なり、世界でここだけのマジックアワーを演出します。

ここでもうひとつ忘れてはいけないのが「ザダルの太陽」。日が暮れると床が7色に光る装置で、ロマンティックなザダルの夕暮れをさらに盛り上げてくれます。

ザダルは、世界遺産のプリトヴィツェ湖群国立公園から南へバスでおよそ2時間のところにあり、朝ザグレブを出発して、プリトヴィツェを観光した後、ザダルで一泊して夕陽を見るという、いいとこ取りのプランも可能。

ヒッチコックも絶賛したザダルの夕暮れ。あなたはこの景色を誰と見たいですか。

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