「モンテネグロのクウェート」と呼ばれるリゾート地、ブドヴァってどんなとこ?
|旧ユーゴスラビア連邦の構成国で、2006年に独立したバルカン半島の国、モンテネグロ。
日本ではあまりなじみのない国ですが、最近だんだんとと知られるようになってきた世界遺産の街・コトルの名を聞いたことがある人もいるかもしれません。
モンテネグロは、人口わずか62万、面積は福島県と同じくらいの小国でありながら、4つの国立公園を有し、293キロに及ぶ海岸線のうち、73キロがビーチになっているという、豊かな自然に恵まれた国です。
そんなモンテネグロ屈指の観光地が、ブドヴァ。「ブドヴァンスカ・リヴィエラ」と呼ばれる25キロにわたる海岸線の中心地で、アドリア海に面したリゾートタウンとしてその名をとどろかせています。
少ない人口のわりに、多くのミリオネアが暮らしていることから、「モンテネグロのクウェート」とも呼ばれているのだとか。
モンテネグロ自体は非常に若い国ですが、2500年もの歴史をもつブドヴァは、アドリア海沿岸で最も古い都市のひとつ。
旧市街は、クロアチアのドゥブロヴニクのように、海に突き出た形をしています。学者のあいだでは、ブドヴァはもともと一つの島で、のちに砂質の地峡で本土とつながったといわれているとか。
重厚な城壁に囲まれたブドヴァの旧市街。旧市街へは、6ヵ所に設けられた門から出入りします。
門をくぐると、石造りの壁にオレンジ屋根の建物が並ぶ、中世の面影を残す街並みが広がります。
旧市街の建造物の多くは、ヴェネツィア共和国支配時代のもの。1979年の地震で多大な被害を被りましたが、8年がかりで再建され、中世の街並みがよみがえりました。
アドリア海沿岸のリゾートタウンらしく、明るく開放的な雰囲気ですが、こぢんまりとしたブドヴァの旧市街には、のんびりとした素朴な空気も漂っています。
小さな路地を歩けば、こんなフォトジェニックな光景も見つかりますよ。
ブドヴァ旧市街の中心的存在が、3つの教会と城塞が並ぶ広場。ブドヴァの旧市街で最も高い尖塔をもつのが、7世紀の教会跡に15世紀に建てられた、カトリックの聖ヨハネ教会(聖イヴァン教会)。
その向かいに建つのが、1804年建設のセルビア正教の聖三位一体教会。
そして、海辺にたたずむのが、2世紀頃の古い教会跡に12世紀に建てられた、聖サヴァ教会。こちらもセルビア正教の教会です。
カトリックと正教会では、その建築スタイルが違うのが一目瞭然。正教会の内部は独特のイコンで彩られ、カトリック教会よりもオリエンタルな雰囲気を感じることができます。美しいモザイクで装飾された外壁にも注目。
カトリック教会と正教会の教会が隣り合う姿は、ローマ・カトリック文化圏と東方正教文化圏のはざまに位置するこの地域らしい風景といえるでしょう。
3つの教会と同じ広場に建っているのが、15世紀に築かれたという城塞。
その上からは、海に突き出たブドヴァの旧市街が見渡せます。
山と海に囲まれた、ブドヴァの旧市街。オレンジ屋根の建物が並ぶ風景に、聖ヨハネ教会の端正な塔がよく映えます。
角度を変えてみると、今度は透明なブルーのアドリア海の美しさに感動。
旧市街を囲む城壁のすぐ外には、スロヴェンスカ・ビーチがあり、ビーチに面したカフェでは海を眺めながら食事やドリンクを楽しむことができます。
こぢんまりと見どころがまとまったブドヴァは、半日ほどでもじゅうぶん満喫できます。あるいは、ここを拠点に、世界遺産の街として名高いコトルなどに足を延ばすのもいいでしょう。
ツアーを利用すれば、クロアチアのドゥブロヴニクから、コトルとあわせて日帰りで訪れることも可能です。
アドリア海沿岸のリゾート地らしい華やかさと、モンテネグロらしい素朴な雰囲気が楽しめるブドヴァは、気取らずに羽を伸ばすのにぴったりの場所なのです。
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