世界3大がっかり名所、デンマーク・コペンハーゲンの人魚像がどのくらいがっかりなのか検証してみた

おとぎの国・デンマークといえば、童話作家のアンデルセン。彼が生んだ「人魚姫」や「みにくいアヒルの子」といった物語は、不朽の名作として、今も世界中で語り継がれています。

首都・コペンハーゲンの水辺にたたずむ人魚像は、デンマークを代表する観光スポットのひとつ。ところが、この人魚像は、「世界3大がっかり名所」としても知られているのです。

ちなみに「世界3大がっかり名所」のあと2つは、シンガポールのマーライオンと、ベルギー・ブリュッセルの小便小僧です。

ということで、コペンハーゲンの人魚像はどのくらいがっかりなのか、実際に行って確かめてみました。

コペンハーゲンの中心部からはやや離れた北側の運河沿いにたたずむ人魚像。市内中心部から歩くにはやや遠いですが、26番の市バスに乗って「Indiakaj」で下車すれば徒歩すぐです。

水辺を歩いていると、突如として大型の観光バスや、アイスクリームや土産物の屋台、人だかりが現れ、にぎやかになってきました。人魚像がすぐ近くにあるに違いありません。

ついに、かの有名な人魚像と対面です。

地元の人から「すごく小さいよ」と言われていたのですが、確かに小さい・・・

そしてこの小さな人魚像を多くの観光客が取り囲み、四方八方からカメラを向けています。

人魚像の悲しげな顔つきと、周囲を取り囲むハイテンションな観光客、背景の工場の風景との組み合わせに、なんだかミスマッチ感を覚えてしまいます。

1913年、彫刻家エドワード・エッセンによって制作された人魚像。当時王立劇場で上演されていたバレエ「人魚姫」を観たカールスベア2代目社長のカール・ヤコブセンが、この像を制作することを思いつきました。

像のモデルとなったのは、王立劇場のプリマドンナ。それが縁となって、のちに彫刻家エドワード・エッセンの妻になったのだとか。

全長80センチと小さいうえ、触ろうと思えば自由に触ることができるため、この人魚像はこれまでに何度も、首を切り落とされたり、腕がもぎ取られたり、爆破されたりといった悲劇に見舞われてきました。

そう聞けば、この物憂げな表情は「人魚姫」のストーリーが悲しいからというだけではないように思えてきます。

果たして、この人魚像はやはり「がっかり名所」なのでしょうか。

筆者の見解では、確かに、人魚像だけをわざわざ見に来るとやや物足りなさが残りますが、周辺の見どころと合わせて楽しめばじゅうぶん満足できます。

人魚像のすぐ近くには、1662年に建設されたカステレット要塞があり、鮮やかな赤の建物と、緑のコントラストが美しい敷地内は、歩くだけで気分爽快。

デンマーク唯一の英国教会・聖アルバ二教会や、迫力満点の彫刻が施された「ゲフィオンの泉」といった見どころもあります。

さらに、人魚像の近くには、運河ツアーの発着地や、水上バスの停留所もあるので、人魚像を見た後に、運河クルーズを楽しむのもいいでしょう。

「がっかり名所」として名高いとはいえ、コペンハーゲンを訪れておきながら人魚像を見ないと、どうもやり残したことがあるような、すっきりしない感じがするというもの。

そもそも「がっかり名所」と呼ばれるのは、それだけ有名で、人々の期待が高いことの裏返しです。

やはり「コペンハーゲンで人魚像を見た」という事実は、コペンハーゲンの旅の満足度を高めてくれるといえるのではないでしょうか。

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