エストニアのりんごから作られるおいしいシードルを味わえる場所「ヤーニハンソ・シードルハウス」
|バルト三国で最も北にあるエストニアは、冬はマイナス20度になることもあるほど寒さ厳しい国。
そのため、ワインのためのブドウ作りはほとんど行われず、代わりにりんごやベリーのお酒がよく作られています。(現地では、「シードル」より「サイダー」というほうが一般的です。)
エストニア国内のレストランでワインを頼むと輸入ものがほとんどですが、エストニアで作られたその土地のお酒を飲んでみたいなら、シードルを試してみるのもよいかもしれません。
今回は、りんごから作られるおいしいシードルを求めて、エストニア西部、パルヌ県とラプラ県の県境近くにある「ヤーニハンソ・シードルハウス(Jaanihanso Cider House)」を訪ねてきました。
・シードル用のりんご畑を見学
シードル用のりんごを育てている畑に案内してくれたのは、オーナーのアルバルさん。
遠くまでずっとりんごの若木が並んでいます。
かなり小ぶりのりんごは、「パラダイスリンゴ」という品種で、日本の姫りんごくらいのサイズ。このりんごを絞ったアップルジュースから、シードルが作られるそうです。
・シードル工場の中を見学
ヤーニハンソのシードル工場の中を見学させてもらいました。
ヤーニハンソのシードルは、オーガニックでエコロジカルな製法にこだわり、煮沸・ろ過・炭化をせず、2段階の発酵過程をともなう、シャンパンのような製法で作られます。
秋に収穫されたリンゴを絞ったアップルジュースを大きなタンクで2~3か月発酵。その後ボトル詰めをし、ボトルを横にした状態で少なくとも3年以上、長いと3~5年間、さらに発酵させます。
ケミカルなものは一切入れず、時間はかかっても自然な発酵をさせることが重要。これは、良質なシャンパンづくりと同じだそうです。
最後は、ボトルの口を下にして逆さに立てた状態にし、朝晩ボトルを回して澱を沈殿させ、透明にするとのこと。
コルクで栓をする前に、ボトルネック付近の澱がたまった部分を凍らせて取り除くことで、濁りのないおいしいシードルができあがります。
・サイダーハウスでシードルを試飲
工場見学をした後は、工場の向かいにあるシードルハウス(Cider House)におじゃましました。
2017年春にリノベーションされたばかりのおしゃれな建物には、100名まで収容できるテイスティングルームも兼ね備えています。
カウンターの奥にはヤーニハンソシードルハウスで作られているシードルがずらり。
オーナーのアルバルさんに、こちらで特に人気のあるシードルを教えてもらいました。
Jaanihanso Rosé Méthode Traditionnelle
リンゴとブラックカラントから作られたハンドクラフトのミディアムドライのシードル。ロゼワインのような色合いが美しいです。
Jaanihanso Organic Ice Cider
リンゴ果汁を凍らせてから発酵させて作るオーガニック・デザートワインは、濃厚な甘さで、食後に飲みたくなるお味。
左端:Jaanihanso Sec Méthode Traditionnelle
初期発酵に野生のイーストを使ったハンドクラフトのミディアムドライのシードル。濁りのないクリアな味わいで、りんごの爽やかさや甘酸っぱさが感じられます。
右端:Jaanihanso Hopped Medium Cider
野生イーストに、IPAホップを使ったシードル。ハーブのようなフローラルなアロマがリンゴの酸味によく合っていて、さっぱり飲みやすいお味です。
試飲して気に入ったシードルは飼って帰ることができます。小さいボトル(330ml)は3ユーロ程度、大きいボトル(750ml)は10ユーロ程度と、手ごろな価格も嬉しいですね。
これらのヤーニハンソのシードルは、エストニアの人気レストランTOP50のうち、約半数のお店で取り扱いがあるほか、エストニアとフィンランドなどの北欧諸国を結ぶ大型フェリー、タリンクシリアの船内でも飲むことができます。
エストニアのりんごから作られるヤーニハンソのおいしいシードル、エストニアに行ったらぜひ味わってみてくださいね。
提供:CAITOプロジェクト
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
【施設詳細】
名称 ヤーニハンソ・シードル・ハウス ( Jaanihanso Cider House )
住所 Õuna, Kaelase Village, Estonia
電話 +372 5120 874
公式サイト http://www.jaanihanso.ee/en/