神社で舞う大蛇の迫力に釘付け!島根県に行ったら日本最古の伝統芸能「石見神楽」を鑑賞しよう
|日本の伝統芸能といえば、狂言や歌舞伎、能などを思い出す人が多いかもしれませんが、「神楽」は、かつては日本全国で盛んに行われていた我が国最古の芸能です。
その歴史をひもとくと、日本神話のなかの「天岩戸伝説」にまでさかのぼり、岩戸にお隠れになった天照大御神を誘い出すために、宇津女命が岩戸の前で舞った踊りが基原だといわれています。
今回ご紹介するのは、島根県・石見地方と広島県・安芸地方北部において伝統芸能として受け継がれている「石見神楽(いわみかぐら)」。
石見神楽の演目は、古事記や日本書記を原典とするものなど30数種にのぼりますが、その中でも最も親しまれている演目「大蛇(おろち)」をご紹介します。
島根県の石見地方では、神社の隣に神楽を舞うための神楽殿があります。石見神楽は、一般的な神楽のイメージとは一線を画した軽快かつ激しい囃子と舞いが特徴。囃子の音色と聞きながら大迫力の演目に釘付けになるでしょう。
・石見神楽「大蛇(おろち)」
高天原を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲国・斐の川にさしかかると、嘆き悲しむ老夫婦と稲田姫に出会う。理由を尋ねると、八岐の大蛇が毎年現れ、すでに7人の娘がさらわれ、残ったこの稲田姫もやがてその大蛇にさらわれてしまうという。
一計を案じた須佐之男命は、種々の木の実で醸した毒酒を飲ませ退治しようと決行する。
ある日、巨大な大蛇が現れ大暴れ。頭と尾が8つ、眼がホオヅキのように赤い怪物が暴れまくる。その恐ろしい姿に震え上がり身動きが取れないほど。
大蛇は、須佐之男命が用意しておいた毒酒を飲んで酔っ払ってしまう。作戦は大成功だということだ。
そのとき、大蛇の尾から剣が出てくる。のちに「天の村雲の剣」と名付けられたその剣は、他の演目「日本武尊」にも出てくるのだという。須佐之男命は剣を振りさばき、その見事な剣の舞で、次から次へ大蛇を退治していく。
ついに最後の一匹の頭を取って完全勝利。見事、大蛇を討ち取ってヒーローになった須佐之男命は、「天の村雲の剣」を天照大御神に捧げ、稲田姫と結ばれました。須佐之男命と稲田姫の結婚が、日本で初めての結婚なんだそう。
迫力のある大蛇を何匹も相手に戦う姿は感動そのもの。物語を知らない方でも心躍らせるお囃子と迫力のある舞に自然と神話の世界へと誘われるはず。
日本最古の伝統芸能「石見神楽」。島根県に行ったときは、石見地方の方々が愛する「石見神楽」の多彩な演目を、生の演奏と舞で鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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