700年の歴史を持つトゥルク大聖堂(Turun Tuomiokirkko) / フィンランドの古都トゥルクを訪ねる

フィンランドの西の都トゥルクは、ヘルシンキに首都が遷都されるまでの約600の間、フィンランドの都として栄えた歴史ある街。

コンパクトな街の中心部を流れるアウラ川沿いには美しい景色が広がり、フィンランド第三の都市でありながらも、静かでゆっくりとした時間が流れています。

今回はフィンランドで最も由緒のある教会の一つ、トゥルク大聖堂を訪ねてみましょう。トゥルク観光の玄関口である鉄道駅やバスターミナルから少し歩くと、街の中心部のアウラ川の畔に建つ約100メートルの塔を持つトゥルク大聖堂(Turun Tuomiokirkko)の姿が見えてきます。

近くに比較するような建物が無く写真ではあまり大きくは見えませんが、重厚感のある石造りの塔はこの街の至る所から姿が見ることができるシンボル的な存在です。
1300年に建てられたトゥルク大聖堂はフィンランド福音ルーテル派の中心の教会で、フィンランドで最も古い教会であり重要な建築物とされています。大聖堂の守護聖人は聖母マリアとフィンランド最初の司教の聖ヘンリーです。大聖堂は増改築を繰り返して広がって行きましたが、幾度も火災に巻き込まれ、現在見られる建物は19世紀のトゥルク大火災の後に再建されたものが大部分です。

建物の中心の礼拝堂は少し無機質な印象も感じる白亜の壁が美しく、中央の礼拝堂の祭壇のある空間に残されている華やかなフレスコ画が見どころです。キリストの人生やフィンランド宗教史の重要な出来事が描かれている天井と壁の絵は、宮廷画家であったロベルト・ウィルヘルム・エークマンによって手掛けられました。

ロマン主義的な絵画は非常に印象的で、キリスト教徒でなくても心に響く何かがあるような作品。ネオゴシック様式の祭壇は、キリストが神の子であるという事が判明する場面が題材とされています。

この主祭壇のある部屋は、かつて「最も神聖な礼拝堂」と呼ばれていたそうで、その名にふさわしい神秘的で美しい空間ですね。中央にある礼拝堂を囲むように側面には小さな礼拝堂や空間が設けられており、フィンランドの歴史上の重要な人物が埋葬されています。
天井や壁には見事なフレスコ画や装飾が残されているので、こちらも注目です。北側の礼拝堂はカラフルな壁と見事なステンドグラスが残されています。
棺の側に騎士の鎧が飾られた部屋は赤と青のカラフルな色使いが独特で、お城の一室にも見えるような豪華さです。トゥルク大聖堂は700年もの歴史の中で、幾度もの火災や戦争に巻き込まれましたが、その度に復興し人々に守られてきました。

中世の趣を色濃く残すこの街の象徴的存在、トゥルク大聖堂をぜひ訪ねてみませんか?

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名前 トゥルク大聖堂(Turun Tuomiokirkko)
住所 Tuomiokirkonkatu 1, 20500 Turku, Finland
営業時間 9-18時
定休日 無休
公式サイト http://www.turunseurakunnat.fi/kirkot-ja-kappelit/turun-tuomiokirkko
料金  無料 (博物館への入場は2ユーロ)