展示品は全てオリジナル!ドイツ・ツェッペリン博物館で飛行船の歴史に触れる
|ドイツ、スイス、オーストリアにまたがるボーデン湖。その温暖な気候からリゾート地としても人気があり、特にバカンスの時期は多くの人で賑わいます。
中でもメーアスブルクはのんびりとした町の雰囲気やワイン生産の盛んな事から、アクセスがそこまで良くないのにも関わらず訪れる人が後を絶ちません。
そんなメーアスブルクの旧市街にひっそりと隠れるように構えているのが、1989年に設立されたツェッペリン博物館です。
ツェッペリンと聞いてピンとこない方も、「飛行船」ときけば何のことを言っているか分かりますね。伯爵であり軍人でもあったフェルディナンド・フォン・ツェッペリンが硬式飛行船を開発したことから、いまでは飛行船の総称として「ツェッペリン」という言葉が使われているのです。
飛行船製造事業とともに世界初となる旅客事業も立ち上げたツェッペリン伯爵。1928年に完成したグラーフツェッペリン号は、まさに技術を総結集して作られた賜です。236.6メートルだった全長は当時としては世界最長でした。
そして1936年には更に巨大な飛行船が製造されます。それが全長245メートルもある「ヒンデンブルク号」。アメリカ横断旅行のさなかに火災で爆発するという、悲劇の最期を遂げた飛行船でもあります。36名が犠牲になったこの事故は、当時のメディアでも大きな注目を浴びました。
時には戦時中の偵察機や爆撃機としても使われ、またある時には旅客船としての歴史を歩んできた飛行船。博物館では写真集や歴史資料、旅客船として活躍した際の乗務員の制服やゲスト用の食器類など、飛行船に関するありとあらゆる展示品が揃えられています。展示物はなんと全てがオリジナルというのが、ここの自慢。
ゆったりとした座席やエレガントな食器類からは、飛行船での旅がどれほど優雅なものだったのかが容易に想像できます。実は日本にも寄港したことがあり、館内ではそれに関連したチラシも展示されています。
今となってはほとんど見ることも無くなってしまった飛行船。それもそのはず、船や飛行機がどんどん進化を遂げる中、速度の遅い飛行船が旅客船として生き残ることは非常に困難だったのです。
飛行船ゆかりの地でもあるボーデン湖周辺では、空に飛行船が飛んでいるのをよく見かけます。これは観光用の飛行船で、ボーデン湖の上を定期的に周遊しているのです。博物館の方曰く、とても人気ですぐに予約で一杯になってしまうという飛行船。博物館で歴史に触れた後に乗れば、乗船もひときわ感慨深いものになりそうです。
小さいながらも充実の展示を誇るツェッペリン博物館。たとえ詳しい知識がなくても、一瞬でツェッペリンの世界に引き込まれてしまう魅力あふれる場所です。
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ツェッペリン博物館
開館時間:10~18時
住所:Schlossplatz 8, 88709 Meersburg
電話:0 75 32 79 09