ドイツ3大美城の1つ、難攻不落のエルツ城を訪ねて

皆さんは「ドイツ3大美城」という言葉を聞いた事がありますか?

数々の城や古城がひしめくドイツにおいて、その頂点ともいえる美しさを有する3つの城、それが「ドイツ3大美城」です。

日本で「ドイツで城といったらノイシュヴァンシュタイン城」というほど有名なノイシュヴァンシュタイン城や、天空に浮かぶような姿が美しいホーエンツォレルン城とならびドイツ3大美城の1つに数えられるのが、今回ご紹介するエルツ城です。

エルツ城があるのはモーゼル川から少し奥に入った谷の中。深い森に守られるようにしてその城はひっそりと佇んでいます。


12世紀に建てられたと言われているエルツ城。その後は約500年もの歳月をかけ、城の各所が増築されていきました。

その立地が功を奏し、建てられてから一度も陥落したことがない「難攻不落」の城でもあります。

ドイツ国内の城は戦争などで破壊され、その後再建されたものが多い中、建設当時の姿のまま現在まで残っている数少ない貴重な城なのです。


中庭から城を見上げると、壁の各所で色が異なっている事に気が付きますが、これは全ての部分が同じ年代に作られたのではないという事を示しています。

先ほども触れたように、城が現在の姿になるまでの歳月は500年。非常に長い建設期間ゆえ、1つの城の中に様々な年代の建築様式が混ざっているのです。

ガイドツアーで見学をする事ができる城内には、当時使用されていた家具や装飾品、武器などが展示されています。

寝室や子供部屋、キッチンなどからは中世の暮らしの一部が垣間見えます。

また特に印象的なのは「騎士の部屋」。ここは祝い事の他にも会議の場所としても使われていましたが、この部屋では天井近くにある人の顔の形をした飾りが「全ての人に対する言論の自由」を保証しています。そしてこの部屋で交わされた内容は、決して外に持ち出してはいけないとされていました。

各部屋の窓から見えるのは深い森。当時ここで生活をしていた家族も同じ風景を見ていたのかと思うと、どことなく感慨深い思いになります。ちなみに城は今でもエルツ家の子孫が所有しており、城内には彼らの写真も飾られています。

日本ではそこまで有名ではないものの、その美しさからヨーロッパでは名の知れているエルツ城。休日や特に連休中は大変混雑するので、日程が調節可能であれば平日に訪れるのがおすすめです。


長い長い歴史を秘めたエルツ城は、深い森に守られて今日もあなたが訪れるのをひっそりと待っています。

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エルツ城
営業時間:9:30~17:30
住所:Burg Eltz 1, 56294 Wierschem
電話:+49 2672 95050-0
HP:http://burg-eltz.de/en/