「イギリスは食事がまずい」は間違い!?世界の美食が集まるグルメ都市ロンドンの現実とは?

イギリスに関して昔からよく言われるのが「食事がまずい」ということ。筆者自身、イギリス旅行歴のある知人から、「イギリスはご飯がおいしくない」「イギリスは美味しい食べ物がない」というコメントを何度も耳にしてきました。

しかし、そうした意見を真に受けてロンドンを訪れたら驚くことになるかもしれません。なぜなら、ロンドンは世界中の美味しい食べ物が集まるグルメ都市だからです。

・世界の美食が集まるグルメ都市・ロンドン

ロンドンはニューヨークにも負けないほどの多民族都市。世界中からやってきたさまざまな民族の人々が暮らしているので、当然、食もバラエティ豊富です。

イタリア料理にスペイン料理、ポーランド料理、ジョージア(グルジア)料理、トルコ料理、モロッコ料理、エチオピア料理、ペルー料理、マレーシア料理、チベット料理など、日本でもおなじみの料理から、日本では滅多に出会えない珍しい料理まで、例を挙げればキリがありません。

ロンドンきっての繁華街・ソーホー地区を歩けば、数十ヵ国のレストランがあっという間に見つかります。食のバラエティという点では、世界最高峰の美食都市である東京だってロンドンには敵いません。

しかも、それらのレストランの多くは本国からやってきた移民たちが運営しているので、味も本格的。近年のイギリスでは、移民の増加に伴い食のレベルが上がったといわれています。

もはや移民が持ち込んだ食文化は、ロンドンの食文化の一部。イギリスの伝統料理だけを見れば、あまり美味しくなさそうに見えてしまうかもしれませんが、世界各国から輸入された料理も含めれば、ロンドンはヨーロッパ有数の美食都市といえるでしょう。

・インド料理

「ロンドンに行ったら必ず食べるべき」といわれているグルメの筆頭がインド料理。かつてインドがイギリスの植民地だった背景もあり、ロンドンでは数多くのインド系移民が暮らしています。

そんなロンドンにおけるインド料理は数・質ともに抜群。英語圏では「ロンドンは世界一美味しいインド料理が食べられる場所」だと信じている人も少なくないといいます。

気軽な食堂風の店からミシュラン星つきの高級店まで、スタイルもさまざまで、日本ではなかなかお目にかかれないようなスタイリッシュなインド料理店もあります。

ファッショナブルなロンドナーに人気を博しているのが、ロンドン市内に5店舗を展開する「DISHOOM」。一見インド料理店には見えないバー風のおしゃれな店内で、モダンでおいしいインド料理が楽しめます。

味付けはヨーロッパのインド料理店にしては辛め。そんなところからも、ロンドンにはインド料理慣れしている人が多いことがうかがえます。

・中華料理

中華料理もロンドンできわめて評価の高い料理ジャンルのひとつ。以前香港がイギリスの統治下にあったため、ヨーロッパでは珍しく本格的な飲茶が楽しめると評判です。

ロンドンのソーホー地区にある中華街はヨーロッパ最大規模。100軒以上の中華料理店がひしめくなかで、在住日本人のあいだでも評価の高いお店のひとつが「Joy King Lau」。

お客さんの多くが中国系で、ロンドンにいることを忘れてしまいそうです。天心はどれも外れのないおいしさで、物価の高いロンドンにしては料金も手頃。特にプリプリのエビをたっぷり使った天心がおすすめです。

・ベトナム料理

こってりした食事に疲れたら、日本人の口に合いやすいベトナム料理はいかがでしょう。日本にもたくさんのベトナム料理店がありますが、タイ料理と一緒になったレストランが多く、ベトナム料理の専門店は案外少ないように思います。

ところがロンドンでは、ベトナムの米麺・フォーの専門店はもちろんのこと、さまざまな料理を出すベトナム料理レストランがたくさんあります。

ソーホー地区の中華街の近くにある「Pho & Bun」は、アートなカフェ・バー風の店内で屋台料理を中心としたベトナム料理が楽しめる若者に人気のレストラン。あっさりとした優しい味付けながらハーブが効いた滋味あふれるベトナム料理には身も心もほっとさせられるはずです。

・メキシコ料理

日本ではあまり見かける機会のないメキシコ料理ですが、ロンドンにはいたるところにメキシコ料理のレストランがあります。

ロンドンで最も人気の高いメキシコ料理店のひとつが、ロンドン市内に10店舗以上を展開する「wahaca」。カラフルでポップな内装に加え、ラテンのノリを感じさせるフレンドリーなスタッフの接客で、メキシコにワープしてきたかのような気分になれます。

スパイスの効いた辛めの料理が多いのですが、スパイシーななかにもまろやかさや奥行きが感じられる料理の数々は、なかなか日本のメキシコ料理店では出会えない味。「メキシコ料理ってこんなに美味しいものだったんだ!」と感じるかもしれません。

・エチオピア料理

日本にいればほとんど食べる機会のない、東アフリカの国・エチオピアの料理も、ロンドンならマーケットの屋台で食べられます。

オールド・スピタルフィールズ・マーケットに出店している「Merkamo」はヴィーガン&グルテンフリーにも対応のヘルシーメニューで大人気。

おそらく日本人のほとんどが見たことも食べたこともないであろうエチオピア料理ですが、インドのカレーに少し似ている料理もあり、思いのほかマイルドで食べやすいことに驚くかもしれません。

・レバノン料理

ロンドンでは、ファラフェルやフムスといったレバノン料理は、手軽でヘルシーなファストフードとして人気。

ロンドン市内に4店舗を展開する「Hummus Bros」は、平日の昼どき、一人ランチのお客さんで賑わいます。ひよこ豆を使った中東のコロッケ「ファラフェル」はベジタリアン料理でありながらタンパク質もたっぷりとれるヘルシーメニュー。

マーケットではファラフェルの屋台も出ているので、ロンドンで小腹が空いたときにぜひ試してみては。

「ロンドンに行ったらフィッシュアンドチップス」ではなくて、世界各国の珍しいグルメを試してみるのが今どきのロンドンの楽しみ方なのかもしれません。

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